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山口敬之「韓国軍慰安所報道」はやはり捏造だった! 文春vs新潮のバトルで浮かび上がった新たな疑惑

韓国慰安所記事を書いたのは安倍政権のため? 菅官房長官とも連携

 客観的に見ても、この論争は完全に新潮の勝利といえるが、しかし、この問題は、倫理観のないジャーナリストが捏造したかどうかとか、文春、新潮のバトルでどっちが勝ったかとか、そういうレベルで終わる話ではない。

 山口記事にはもうひとつ、「週刊文春」が完全に無視を決め込んでいる重大な疑惑がある。それは、新潮が10月26日号の記事で「「安倍」総理を援護したくて虚報発信!!」と題した部分、“山口記事は安倍政権の外交を援護するために仕掛けられた”という指摘だ。

 山口氏がこの問題を「慰安婦問題において韓国に『加害者』の側面が加わる」という動機で取材を開始したことは、山口氏自身が書いているが、新潮はそれよりもっと露骨な事実、山口氏が“安倍外交のバックアップ”を目的に記事を書いたことを具体的な証拠を挙げて示しているのだ。

 それは、山口氏が記事の掲載された「週刊文春」発売前後に、ある人物らと交わしたメールのやり取りだ。新潮によれば、なんと、山口氏は山田重夫駐米公使(当時)ら政府の外交官に記事のゲラや公文書のコピーを送るなどしていたというのだ。それだけではない。そのやり取りでは、菅義偉官房長官の会見や米国務省の広報官会見において山口記事に関する質問が出る手はずが整えられていたのである。新潮が報じたメールの概略はこうだ。

山田公使 東京で官房長官記者会見で質問が出るなど、報道が出た段階で国務省に根回しするようにします。
山口氏 産経記者が明日の朝刊で展開してから、午前の官房長官会見で質問する事になりました。菅さんは、(略)昨年の安倍総理の国連演説に沿ったラインで答弁します。明日の木曜日の国務省会見で聞いても大丈夫ですか?

 新潮によると、山口氏は文春発売当日の2015年3月26日、国務省の広報官会見用の質問を事前に山田公使に連絡。山田公使は「これで良いと思います。Q4(注:慰安婦に関する質問)への答え、楽しみですね」と送り、山口氏は「頑張ります。大変お手数とご迷惑をおかけしている山田公使に喜んでいただける答弁が引き出せたら嬉しいのですが…」と返事をしたという。実際、国務省での会見では、TBSの記者が文春の山口記事について米広報官に質問をしていた。これは、完全に山口氏と政府とのすり合わせを意味する決定的証拠だ。

 山口氏はレイプ問題でも背景に官邸の関与が囁かれているが、こうした山口記事をめぐるベタベタの状況を見せつけられると、やはり、令状が出て、成田空港で逮捕される直前、“菅官房長官の子飼い警察官僚”である中村格・警視庁刑事部長(当時)が逮捕中止を命じたことと、なにか関係があるのではと思えてならない。

 つまり、山口氏が文春記事で安倍政権をアシストし、官邸と癒着関係を築いたことが、レイプ捜査のもみ消しにつながったのではないか、という疑惑だ。そして、この癒着の構図の中には、「週刊文春」の新谷学編集長が絡んでいる可能性もある。

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