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山口敬之「韓国軍慰安所報道」はやはり捏造だった! 文春vs新潮のバトルで浮かび上がった新たな疑惑

新潮が公文書の記述捏造、取材内容改ざん、手柄の強奪を暴露

 ところが、新潮はこうした山口氏の記述について、「「安倍」総理を援護したくて虚報発信‼︎ 週刊文春「韓国軍に慰安婦」記事は山口記者の捏造か」というタイトルの記事を掲載。山口氏の取材対象や協力者の証言をまじえながら、記事に数々の嘘や捏造、歪曲があることを指摘したのである。

 まず、新潮によれば、山口氏は調査報道をまるで自分だけの手柄かのように記しているが、実際は、山口氏のリサーチャーを務めたというグリーン誠子氏がひとりで調べたもので、14年の夏に例の公文書にたどり着いたのも彼女だったという。新潮には、そのグリーン誠子氏のこんな証言が掲載されていた。

「調査は私ひとりが担当しました。その歩みの中にすっぽりとご自身の姿を置き換えており、記事はひどいと思いました。文春が出た後に山口さんにお会いしましたけれど、“自分だけがやったように書きすぎた”と仰っていました」

 つまり、山口記事の〈私の全米各地に眠る公文書を探す取材〉とか〈犯罪記録の公文書を一枚一枚剥ぐように読み込んでいると、一通の書簡に行き当たった〉などという記述は、まるっきりの創作だったというわけである。

 これだけでもノンフィクションとしては致命的と言えるが、新潮が指摘したのはこれだけではない。山口記事の核心、米公文書に「韓国軍による、韓国兵専用の慰安所」と記されていたとする部分も、実は完全な捏造であると断じたのだ。

 新潮によれば、確かに山口の言う公文書は存在するが、これは韓国軍の軍品横流し及び不正通貨事件でサイゴンの売春施設(「トルコ風呂」と記述されている)を捜査した米当局が韓国軍ベトナム指揮官にあてた調査報告書。そこには「慰安所」(Military Brothels)や「慰安婦」(Comfort Women/Military Prostitutes)という言葉は一切出て来ないのだという。

 あるのはWelfare Center、「福利センター」という言葉であり、山口記事はそれを無理やり「慰安所」と訳しているにすぎない。

 しかも、「韓国軍の韓国兵のための慰安所(実際の訳は「福利センター」)」という記述も、公文書がそう断じたわけではなかった。

 実はこの箇所は、捜査を受けた「トルコ風呂」の経営者の供述の引用で、公文書の調査報告では続けて、米軍による調査の進展とともに明らかになった事実として〈トルコ風呂は韓国駐屯軍のみの便益のために営業していたわけではない。ベトナム国籍を有するものは除くが、一般大衆にもサービスを提供する開かれた施設であると思われる〉と供述を否定する内容を記していたのだ。

 ようするに、山口氏は民間業者が追及逃れで語り、当局が否定した供述内容を引用して、〈米軍司令部がこの施設を「韓国軍の韓国兵のための慰安所」であると捜査に基づいて断定している〉と書いていたわけだ。これはどう考えても、捏造というしかないだろう。

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