加計学園HPより
まさに「総理のご意向」のままに、2018年4月開学が決定的となった加計学園獣医学部。先日もお伝えしたとおり、今月10日に文科省の大学設置・学校法人審議会は、加計学園の獣医学部開設を認める答申を林芳正文科相におこなう予定だ。
しかし、新設が決定しても、安倍首相が“お友だち”のために国家戦略特区という枠組みを利用して優遇した疑惑は何ひとつ晴れていない。そればかりか、開学に伴うバイオセキュリティの面での危険性や、建築費水増しによる補助金詐欺疑惑はまったく議論されていない状態だ。
しかもここにきて、安倍首相が「岩盤規制にドリルで穴を開けた」と言い張る52年振りの獣医学部新設を認めた「前提条件」そのものを揺るがす問題が浮上した。
それは、加計学園が獣医学部の受験生を韓国で積極的に募っている問題だ。
このことについて独自取材で伝えたのは、6日放送の『あさチャン!』(TBS)。番組によれば、加計学園は今月4日に韓国・ソウルで韓国人留学生向けに獣医学部の入学説明会を開催。加計学園の獣医学部の定員は国内の獣医学部で最多となる140人だが、そのうち外国人留学生の募集は20人。つまり、全体の7分の1が外国人留学生ということになる。
これは、現在、国内最多の入学定員120人である北里大学や日本大学の獣医学科の留学生募集人数が「若干名」であることを考えると、かなりの割合と言えるだろう。
もちろん、積極的に留学生を受け入れることは、国際的な知的交流のみならず相互理解や友好関係を築く上でも重要だ。しかし、加計学園の獣医学部の場合、事情は異なる。なぜなら、国家戦略特区によって規制緩和されたその目的に「四国の獣医師不足を解消」することが挙げられてきたからだ。
加計学園は当初、入学定員を160人で計画していたが、大学設置審から「定員が教員数と比べて多い」と疑義が呈され、20人削減して定員140人に修正。この、もともとの160名という数字は、就業獣医師の総数や全国の獣医学系大学の定員から年あたり187人が不足していると割り出し、定員数の根拠としていた。にもかかわらず、学生の7分の1は外国から受け入れるというのである。