憲法の問題は、当事者でもあるにかかわらず、自分が当事者だと気づけるまでに時間がかかる
憲法は権力者を縛るもの、権力者は憲法を守れ。憲法に則った政治で、国民の生活を守れ。街頭で山本太郎は何度もそう叫んでいた。
なぜ憲法を経済政策とセットで語るのか。それは、改憲の動きが本格化する一方、多くの国民のあいだでは本当の意味で憲法に対する認識や議論が広まっていないという危機感があるからだろう。山本は本サイトのインタビューにこう語っていた。
「今年の夏に、『今さら聞けない!憲法ってナニ?』のチラシを作ろうと思ったのは、憲法改正は必ず来ると思ったから。時間がない中でもにみんなに、話し合ってもらいたいっていう思いで作った。みんなが興味あるのは、お金の話とか働き方の話だから、それに絡めた憲法のチラシにしました。
原発や放射能の問題だったり、安保法や秘密保護法の問題、そして憲法の問題も、多くの人たちにとってはイメージするしかない話です。イメージが現実化するまで、答え合わせできるまで時間がかかるということ。実際にそういう大きな問題が自分の周りで起きて、目に見えてはじめてわかる。
たとえば、健康被害が出る可能性がある案件があったとしても、実際それを身近に感じる状態になるまでは考えられない、イメージするしかない将来的な危険要因に警鐘を鳴らしても、どこか他人事ですよね。戦争にしても、起こっていないものを騒がれてもピンとこない。たとえ起こっていたとしても、第二次世界大戦を多くの人々が自分ごとに感じられたのが、全国が被害を受けた空襲だったといいますよね。
最初は日本から離れた遠くの国でやっていて、いまいちリアリティを感じるのが難しかったということ。当事者であるにもかかわらず、当事者であるってことを意識するまでに、すごく時間がかかる。そういう言ったイメージしなければヤバさが解らないイシューは説明も時間がかかり、広がりづらい。
生活に密着したイシューのほうが広がりやすいのは当然です、毎日、進行形で自分の身に降りかかっていることですから。
政治に興味をもってもらうなら、人びとのための金融政策と財政政策をやっていくんだという本気の旗をあげなきゃ。反緊縮、消費税ゼロ、それくらい大胆に。じゃないと、たとえ議席を確保できたとしても、政権交代も難しい、太刀打ちできないです。
あっちは「アクセルをもっとふかして、アベノミクスのエンジンをクルクル、クルクル回していきます〜」みたいな、よく解らないけど、わかった気がする、キャッチフレーズ戦略です。話の聞き手がカロリー使わなくて済むんですよね。
聞き手は考えるのにも体力いりますから、いかにわかりやすく、人々のための政治をやっていくかを、選挙期間が終わっても、みんなで伝えていきながら、先々ひっくり返す。直近では安倍さんと小池さんのグループと、維新、公明もいて連立もできるし。楽勝で吹き飛ばされます、それを見据えなきゃいけない。一回の選挙では変えられなくても挫けない。今まで何年かかってぶっ壊されてきましたか、この国は? 一発で決まる話ではありません。破壊されるスピードは加速していて、時間との戦いでもありますが、根気強く拡げていきます、ステップ・バイ・ステップで」