新宿駅西口で“街頭記者会見”を行う山本太郎
今回の総選挙の結果によっては、改憲勢力が改憲に向けた動きをさらに本格化させてゆく可能性も高い。目の前の選挙はもちろん、その先の憲法をめぐる戦いに向けて、インタビュー前編で「今から、何人仲間を増やせるか」「正解は見つかっていない」と語った山本太郎参院議員。そこに向けた活動のひとつが、夏につくったという「今さらきけない憲法ってなに」という小冊や連日おこなっている“街頭記者会見”だろう。その日も街頭で街ゆく市民の質問を受けながら、2時間ノンストップでしゃべり続けていたが、話題の中心は憲法と経済政策だった。山本太郎がいま、市民に向けて語りたいこととは何か。街頭でどんなことを語っているのか、最近の演説、街頭記者会見も含めてその内容をダイジェストで紹介したい。
●権力側が「憲法を変えろ」「憲法を変えたい」って言い出すって、図々しいにもほどがある
〈憲法改正、これ、自民党の党是だそうです。安倍さんが超改憲やりたいんです。自民党は「憲法をこう変える」という内容の改憲草案を出していますが、その中身は人々の権利制限の塊。そして、東京都知事である小池百合子さんが党首を務める希望の党。その党の方針も、憲法改正で知る権利を入れたいと。都政では築地・豊洲の意思決定さえもブラックボックスですから、知る権利って何ですか?の世界です。
で、山本太郎の方針はどうか? 憲法を一字一句変えるべきではない、とは思っていません。ただ、議論にかなり時間が必要だと思います。「オリンピックまでに憲法改正を」など言ってる輩がいますが、これはただの火事場泥棒です。詐欺の一種と思ってもらって問題ないです。
この国に生きる人々の多くが憲法とは何か、どうするべきか、を街中でも議論する様な状況にならなければ憲法は変えられません。だから時間をかける必要がある訳です。
国民の側が、「憲法を変えてくれ!」とお願いしている訳ではありませんから。人々は、年金や経済、労働環境、税制について、何とかしてくれ!の声は多いですが、憲法についてすぐに変えろ!と言うスタンスの人々はほんの一握り。
憲法を一番変えたがっているのが、政治家です。本来憲法で縛られるべき存在の権力者が、憲法を変えろと言ってる時点で、怪しいと感じなければなりません。
日本の憲法は硬性憲法、しょっちゅう変えていいもんじゃない。
でも、国のあり方を180度変える場合なら、話はべつです。極端な例で言うと、自衛隊を軍隊にする、天皇制を廃止する、くらいに国のあり方が大きく変わる場合は改正が必要な話になります。
憲法ってなんですか?というと、皆さんご存知の様に、憲法98条でこの国の最高法規であることが書かれています。この最高法規、憲法の考え方に合わない法律や命令は無効だよ、って内容です。
では、憲法は誰を縛るんですか? については、憲法99条に書いてあります。
憲法を尊重し擁護する義務を負う者は、「天皇、国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員」、とある。
国民の中から憲法を変えるべきだ!っていう声が多数にもなっていないにもかかわらず、憲法を尊重擁護する義務を負った権力側が「憲法を変えろ」「憲法を変えたい」って言い出すって、図々しいにも程がある。
おまけに憲法改正の国民投票では、最低投票率が決められていないので、投票率がビックリするほど低くても憲法が変えられてしまう可能性が生まれる、無茶苦茶です。〉