「生きてて苦しいのは、がんばってないから」そんなふうに感じさせる政治は、憲法違反だ
〈みなさん、生きてて苦しくないですか? 不安抱えてないですか? みなさんにお聞きします。
「自分には生きている価値がある」と胸を張って言える方、どれくらい、いらっしゃいますか?
ありがとうございます。ほとんど手があがりませんでした。
何も生み出していない者は生きる価値などない、と思い込まされていませんか?
生産性が低い者は生きる価値などない、と思い込まされていませんか?
生活が苦しいのは、不安を抱えているのは、あなたが頑張らなかったから、と刷り込まれていませんか?
すべて大きな間違いです。あなたは生まれて来ただけで価値がある、そう思える社会を作るのが政治の役目です。あなたが抱える生活の苦しさは、そのほとんどは、人々の生活を少しでも向上させられる社会的基盤を政治が築いてこなかったことが原因です。
“2人に1人”に迫る勢いの非正規労働、失業前提の働き方です。1年後の自分イメージできますか? 無理ですよ、1年後同じ仕事を続けていられるかもわからない。そんな不安な気持ちを抱えるような働き方がスタンダードになってる時点で、もうすでに憲法すらも守れていない、ということです。
「あなたが苦しいのは、あなたががんばってないからじゃないか」とあなたに感じさせる、「自分の足で立て」っていうような考え方。そういう政治は、すでに憲法違反です。
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
私が1番好きな憲法の条文です。憲法25条を見ていただきたいんです。この通りの社会を実現していくことを考えなきゃならないのが、政治なんです。
では現在、日本はどうなっているか?厚生労働省の「国民生活基礎調査」を見ると、生活が苦しいと感じている人の割合、6割近いですよね。この国の貧困はどれくらい? 6人から7人に1人が貧困だと。もちろん食料さえない、といった途上国などに見られる絶対的貧困とは違います。相対的貧困はザックリ言うと、他の人と同じような普通の生活ができない状況。たとえば、新しい年を迎えるにあたって下着を買い替えられない人たち、たとえば、給食が1日のなかで非常に重要な栄養源になっているので夏休みになったら痩せちゃう子どもたち。外から見たら貧困かどうかはわからない。でもたしかに“健康で文化的な最低限度の生活”はできていないという人たちが、6人か7人にひとりは存在している。
これ、憲法違反じゃないですか? この状況を見て、憲法25条守られてると、みなさん感じますか。
国民のみなさんが守らなくてはいけないのは、法律。権力者が守らなくてはいけないのは、憲法。その憲法25条さえずっと反故にされていないですか?〉
〈多くの方々がギリギリの生活を送っている。どうしてこんなことになる? 日本にはお金がないわけじゃないんです。
企業の利益は過去最高益です。あのバブルの時より儲かっています。企業の利益が莫大になったのは、コストを2つカットしたからです。1つ、法人税減税が大きく寄与している。あともうひとつは、あなたです、働く人びとです。
労働環境を不安定にして、働く人々の賃金を下げて、もっと長時間働けるようにしてしまえば、企業は儲けが増えます。それを誰がやったか。全て政治の場で実現しているんです。なんですか、この裏切り。あり得ないでしょ。この国の政治は、誰のためにあるんですか。
この国に生きる人々のため、すべての人々のためにある。でも、今の政治は一部の奉仕者になっちゃってるんです、憲法15条違反です。大企業や富裕層、自分たちのお仲間、お得意さま、応援してくれる人のためだけに、税金を安くしたり、補助金を出したり、そういうことを続けていった結果、日本の国富がどんどんけずられていく、その分、みなさんの税金はどんどん増えている。あまりにもあり得なくないですか。完全な背信行為。この国に生きる一人ひとりに人生があるにもかかわらず、そこに光をあてようとしない。これは、国家の私物化です。それは森友問題を見ても、加計問題を見ても、明らかじゃないですか。〉