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22億円もの公金をつぎ込んだ官製映画会社がタダ同然で売り飛ばされていた! 経産省クールジャパンのデタラメ

公的資金投資を主導した経産省は、事業失敗を隠し「経営は順調」と虚偽答弁

 まさに信じられない国民への背信行為だが、問題は、この産業革新機構のバックにいる経産省の責任だ。

 前出のマスダ氏はANEW設立への不適切な公的資金投資には経済産業省が深くかかわっていたことをブログで追及している。前述したANEWの黒川祐介・代表取締役CCO(当時)が、2012年に業界誌のインタビューで「ANEWは数年に渡る経済産業省の企画を経て設立された」と述べ、経産省の伊吹英明・文化情報関連産業課課長(当時)も、同年5月の内閣府コンテンツ強化専門調査会において、ANEW設立のためにロサンゼルスまで出張して聞き取り調査を行ったと述べていた。

 また、産業革新機構の出資事業については、産業競争力強化法に基づいて、経産大臣による毎年の業績評価が義務付けられているのだが、経産省はANEWの問題点について一切ふれておらず、プロジェクトに進展があったかのような答弁を繰り返してきた。マスダ氏もこう疑義を呈する。

「ANEWの設立に密に関与し、職員まで出向させ、毎年法令による業績評価を行い、さらに国会で「経営は順調」という趣旨の答弁をしていた経産省が、経営実態を知らないはずがない。わざと自分たちで主導したクールジャパン施策の失敗を国民に知られぬよう公表を避けてきたんだと疑わざるをえません。また代表取締役、取締役、社外取締役、監査役、取締役会、株主総会のほとんどが産業革新機構という“身内”で構成したガバナンスの効きにくい経営体制を知りながら、法令に定められた公文書に虚偽を記載し、あたかも官民ファンドのガイドラインに沿った経営体制が組まれていたかのようにごまかす工作まで行っています。さらに監督官庁でありながら映画について何の知識もないと思われる職員を出向させるような監督体制があったために『本来行ってはいけない投資』が『適正な投資』みたいにされてきたんだと思います」

 しかし経産省はこうした責任追及の声に、一切、ほおかむりをしている。

 マスダ氏によると、経済産業省に対して情報公開請求を行ったところ、経済産業省はANEW設立に関する公文書は確認できないとして不開示決定を行った。また、産業革新機構が経済産業大臣に提出した『日本コンテンツの海外展開推進会社設立について』の資料は開示されたが、産業革新機構のロゴ以外すべて黒塗りになっていたという。

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