さらに問題なのは、これまでホリプロが松居に対して行った圧力はそれだけではなかったことだ。
今回の提訴に至る以前から、ホリプロはさまざまな“圧力”で松居の口を封じようと画策、また騒動を伝える報道に対しても“圧力”をかけていた。
たとえば、今回の件をめぐり松居はこれまで14本の動画をアップしたが、そのうちの3本はすでに削除されている。これに関し、動画のリンク先などが記された松居のブログ記事数本も削除されているが、「アメーバーブログ」運営元のサイバーエージェントは、複数のメディアからの問い合わせに、“ホリプロからの要請”があったことを認めている。
また、松居の独占手記を掲載した「週刊新潮」(新潮社)7月27日号には、ホリプロによる松居報道への露骨な圧力のやり口が暴露されている。それが、ホリプロが7月9日に一部のテレビ局に送ったとされる文書の存在だ。そこにはテレビの松居報道に対し、こんな“要求”が行われていたという。
〈(松居が配信した)これらの動画やブログ等を公開する行為は、船越氏の人格権、すなわちみだりにその名誉を害されない権利や私生活を公開されない権利を侵害する違法な行為であることが明らかです。(中略)つきましては、今後動画及び動画中でなされている松居氏の発言、ブログ等の記載等を取り上げ、一方的な報道をされることは避けて頂きたく、その旨通知する次第です〉
こう記された文書だが、ご丁寧にも〈私どもが皆さんにFAXしたことは放送なさらず、また、この表紙も含めて文書を撮影、放送することはなさらず、宜しくお願いします〉と口止め工作まで行っていたという。
ホリプロといえば、石原さとみ、綾瀬はるか、藤原竜也、松山ケンイチ、吉田鋼太郎、和田アキ子など、数多くの有力・人気タレントを擁する大手老舗事務所。「週刊新潮」も、このFAXがテレビ局に対する「圧力文書」だったとして、その翌日と翌々日はフジテレビやTBSの情報番組では松居ネタが扱われなかったと指摘している。
あからさまとも言えるマスコミへの圧力、警告だが、それにしても、情けないのはマスコミだ。ワイドショーを始めとするほとんどのマスコミはこの恫喝文書の存在を報じないどころか、これまでさんざん松居の動画を嘲りながら紹介し、視聴率稼ぎに利用したにもかかわらず、松居が繰り返し訴えるホリプロの圧力に関して、その一切に触れることはなかった。しかも、松居が訴えるハワイ在住の女性や脚本家・大宮エリー氏との不倫という船越にとって都合の悪い情報を、“松居の妄想”としてまともに検証さえしない。だが、こうしたホリプロの圧力をみれば、松居の訴える数々は、決して妄想として片づけられるものではないことは、もうお分かりだろう。