安倍首相の二枚舌を放置すれば、日本は国際社会からどんどん孤立する
また、2007年の第一次政権では「狭義の強制性はなかった」「強制性を証明する証言や裏付けるものはなかった」などとする答弁書を閣議決定した。
ようするに、“慰安婦は売春婦だった”という今回の篠塚総領事の発言は、完全に安倍首相の本音を“代弁”したものだった。だからこそ、表立って政府として訂正や謝罪もしなければ、総領事の処分も検討していない、そういうことではないのか。
実際、日韓合意での「心からおわびと反省の気持ち」というのも外務大臣などから伝聞で発表されただけで、安倍首相本人はこれまでにきっちりと自分の言葉で直接表明していない。しかも、昨年10月には、元慰安婦たちが首相による「おわびの手紙」を求めていることに対し、安倍は国会答弁で「毛頭考えていない」と全否定までしてみせた。
もはや言い逃れはできないだろう。本サイトはかねがね、15年末の日韓合意が安倍首相お得意の“二枚舌”で、本音は謝る気などさらさらなく、ようは「カネを出したのだからつべこべいうな」という話で、平和を希求する市民の心まで弾圧していると指摘してきた。今回のアトランタ総領事の“慰安婦は売春婦だった”発言は、まさにそれを証明するものだ。
5月12日には、国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会が、元慰安婦に対する「補償や名誉回復、再発防止の保証などが十分ではない」などとして日韓合意の見直しを勧告したが、これに安倍政権が反発する正当性も、また少女像設置に猛抗議する道理も、微塵たりとも存在しない。
そして、何度でも言うが、こうした安倍首相の二枚舌と平和運動の弾圧は、国際社会から日本を孤立させるとともに、国内で侵食しているファシズムの顕現でもある。政権の破綻している“少女像バッシング”に騙されている国民は、そろそろ目を覚ますべきだ。
(編集部)
最終更新:2017.12.29 04:53