文科省の出した萩生田指示メールに官邸は激怒!
再調査で出てきたメールを調査結果として出さなければ、「握り潰された」と職員たちはマスコミに証言する。そのほうがはるかにダメージは大きい。……そうした判断で文科省は爆弾メールをあきらかにしたが、一方の官邸はこれに大激怒した。
「当初、官邸が描いていたシナリオでは、文科省の再調査結果の公表を受けて、ほとんどの内部文書を作成した高等教育局の課長補佐の女性に責任を押し付けるつもりだった。それが、文科省は内閣府職員が送信した萩生田官房副長官の関与を示すメールを出してきた。そこで官邸と内閣府は、『広域的に』『限る』という文言を追加したのは萩生田官房副長官ではなく山本大臣が指示したものだと発表することに決め、さらには『文科省からの出向者の策略』として、文科省を徹底攻撃することにしたんです」(同前・大手紙官邸記者)
事実を公表した文科省に対し、敵意を剥き出しにする内閣府と官邸。これまでも省庁同士が水面下で暗闘を繰り広げることはあったが、一省庁が内閣に反旗を翻す政府内不一致がここまで表沙汰になったのは前代未聞のことだ。安倍政権お得意の情報操作や謀略で、文科省を抑え込むことは難しいだろう。
いずれにせよ、官僚ひとりを槍玉にあげて収束をはかろうとするとは極悪非道としか言いようがないが、しかし、そのような説明で納得できるはずがない。
実際、すでに内閣府側や安倍首相の答弁は、まったく整合性がとれていない。そもそも、萩生田官房副長官の関与を示すメールについて、山本地方創生相は「課内で飛び交っている真偽不十分な情報を送信した」などと言うが、なぜ内閣府の課内で、官邸の人間の名前が飛び交ってなどいるのか。また、内閣府の藤原審議官は、内部文書が作成された時期に文科省との会合に出たことは認めながらも「この時期の記録は内閣府にはない」と強弁するが、今回のメールは内閣府から送信されたものであって、内閣府に記録が何も残っていないはずなどないのだ。