山本地方創生相「ほかの大学でも新設できてしまうので『広域的に』と入れて、制限した」
しかも、山本地方創生相は本日午前に行われた参院内閣委員会で、民進党の櫻井充議員から「なぜ『広域的に』という文言をわざわざ入れたんですか?」と質問された際、こんなことまで口にしている。
「もともと獣医師系の大学のないところで限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見のあいだでですね、それだけではまだほかにもですね、ほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと。そういう意味からですね、『広域的』ということで、少し広げて制限しようと考えたわけであります」
加計学園以外の“ほかの大学”でもいろいろ獣医学部新設ができてしまうのはまずいから、「広域的に」という文言を入れて「制限した」──。ようするに山本地方創生相は、「ほかを制限するために『広域的に』という文言を追加した」と答弁したのだ。これは「加計学園ありき」であることを認めてしまったようなものだ。
さらに醜いのは安倍首相だ。安倍首相はきょうの集中審議で、「『広域的』といっても、京都産業大学も残る可能性があるということを念頭に置いていた」などと噴飯ものの苦しい答弁を行ったのだ。繰り返すが、京産大は獣医学系の学部をもつ大阪府立大学が近県にあるため、「広域的」「限る」という文言に阻まれて事実上、断念せざるを得なかったのではないか。だいたい、今治市が公開した資料からは、加計学園の獣医学部新設を前提にしていた事実しか浮かび上がってこない。いまさらこんなことを言っても、何の説得力もないのだ。
これだけの証拠が出揃いながら、官僚を責め立てることで逃げ切ろうとするなど、もってのほか。文書を「怪文書」扱いしてきた菅義偉官房長官の責任問題だってある。国会を閉会させたあとは問題を有耶無耶にし、内閣改造でこっそり山本地方創生相の首を切れば収束させられるとでも考えているのだろうが、国会が終わっても追及をつづけ、安倍首相にはきっちり落とし前をつけてもらおうではないか。
(編集部)
最終更新:2017.12.05 01:27