小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

アパグループ代表がユダヤ団体から抗議受け「ユダヤ陰謀論」 撤回!「南京虐殺なかった」は開き直ったのに

 こうした言説は、特定の人種に対するやみくもな脅威論を助長し、差別と偏見を扇動するものに他ならない。

 さらにもうひとつ、アパグループと元谷氏の対応を見て欺瞞だと感じるのは、例の「南京大虐殺はなかった」問題との対応のちがいだろう。南京問題で炎上した際は、「言論の自由」だと強弁し問題書籍の撤去や修正などの対応は一切しなかった。ところが今回は前述したように、問題個所も速攻で削除したのだ。

 中国からはどんなに批判をされても「言論の自由」と強弁し、ユダヤ(欧米)に抗議されると即座にへこへこ撤回するというダブルスタンダード。ようするに、ユダヤ資本を敵にまわすと欧米でビジネスを展開するのに不利になるから媚びて釈明しているに過ぎないのだ。

 これは誰かさんとよく似ていないか。そう、アメリカに対しては先の大戦が侵略戦争であったことや慰安婦の強制連行を認めたふりをし、国内では侵略の事実も慰安婦もごまかし否定し続けるという、安倍首相の二枚舌とまったく同じ構図だ。

 もちろんこれは、偶然などではない。本サイトが繰り返し指摘しているように、アパホテルの元谷代表はこの国の政界に食い込み、日本の最高権力者である安倍首相ときわめて親密な関係にある。元谷代表は安倍氏の秘密後援会「安晋会」の副会長を務め、安倍の首相再登板を後押ししてきた。思想的にも安倍首相やその周りにいる自民党のタカ派政治家とほとんど一体と言っていい。

 実際、今回問題になった対談でも、対談相手である片山さつきは、元谷氏を「日本の旗を背負った大使の様なホテル王」「海外でもアパホテルは日本のランドマーク」「代表は日本の保守のオピニオンリーダーのお一人であり、安倍首相のビッグサポーター」などと猛烈にヨイショ。ご丁寧に、この差別主義者が安倍首相のビッグサポーターであることを、世界に向けて堂々と発信しているのだ。しかも、対談にはこんなやりとりもあった。

片山「北米の(アパの)ホテルですが、全部ではなくていいので、目抜き通りで日本国旗を掲揚していただきたいですね」
元谷「その辺りもいろいろ考えて進めようと。カナダは意外と反日の人が多いのです」

 まさに侵略戦争を引き起こした戦前の発想丸出し。政権の中枢に近い政治家がこんなセリフを口にするとは信じられないが、これがいまの日本の状況なのだ。

 今回の問題で、ジャパン・タイムズの取材に応じたユダヤ系団体の関係者のひとりは元谷氏とアパグループの思想を「元谷氏は日本の擁護者で、日本や日本人が他の世界の国々やその人々よりもすぐれていると考えているように思えます」(「The Jewish Federation of Edmonton」のCEO)と分析していたが、こうした人物に支えられた安倍政権も最近は、たんなるタカ派というレベルにはとどまらず、ナチズム的本質をどんどんあらわにしてきている。日本はいったいどこまでいってしまうのだろう。
(編集部)

最終更新:2017.11.20 04:05

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する