さらに片山は、「生活保護は在日に甘過ぎる」と事実無根の“在日特権”を煽ったことでネトウヨから「現代のジャンヌ・ダルク」と称賛を浴びることに。ついには「片山さつき応援デモ」なるものまで企画されたことで片山は大喜びし、「みなさんは素晴らしい愛国者」「生活保護は真面目な日本人が優先」などと述べたのだった。──このような片山の言動は、移民の福祉サービス受給を目の敵にし、アメリカ人(実際は白人、とりわけ男性)の利益を優先させることを明言するトランプと同じものだ。
しかも片山の特徴は、前述したように“敵”を貶めるためにはデマや嘘を流すことも厭わないことだ。たとえば、2014年9月に御嶽山が噴火したときには「民主党政権が御嶽山から監視を外した」などという嘘をツイッターに投稿。ネット上の「韓国が青森ねぶた祭りの起源を主張」というデマ情報を真に受け、文化庁にまで調査指示をし、ブログで「今までのようなお人よし路線では、だめですね」と記述したこともあった。
また、生活保護バッシングの際には、テレビ番組で千原せいじが「片山の夫がかつて会社を倒産させた」旨を語ったことを、「片山の夫の会社を潰すと公共の電波でおっしゃった」などと歪曲したかたちで生放送の報道番組で涙ながらに熱弁。これは2ちゃんねるで流れていたデマを片山が鵜呑みにしたのではないかとされている。このように何度もネットのデマに乗っかっては恥をさらしている片山だが、2012年には2ちゃんねる系のまとめサイトでネトウヨ記事が多いことでも知られる「ハムスター速報」を取り上げ、〈みんな、ハム速を守ろう!〉〈ハム速、正すべきこと正し、保守系として頑張れ、の何が問題?〉などと主張したこともある。情報源がネトウヨ系まとめサイトとは、Facebookで「保守速報」をシェアしていた安倍首相と五十歩百歩だろう。
いや、それだけではない。片山は昨年、NHKが取材した“貧困女子高生”のバッシングに乗り出した際も、元の情報源は“ネトウヨYouTuber”であるKAZUYAのツイートだった。そして女子高生に“貧乏人は贅沢するな!”と言わんばかりに批判を展開し、挙げ句、NHKにまで説明を求めたのだ。
ネット上の真偽不明な情報にすぐ飛びつき、自分に有利とあらばデマでも何でも利用する──。ご自慢の“東大出身の元キャリア官僚”という経歴が泣けてくるほどに、知性のかけらもないネトウヨ並みの煽動家としか言いようがないだろう。
たしかにこれならトランプとも意気投合しそうだが、これは笑い話で済ませられるものではない。本サイトでは橋下徹や安倍首相とトランプの共通点を指摘してきたが、この国の政治の世界には片山よろしく“ミニトランプ”が、すでに数多く跋扈しているのである。
(編集部)
最終更新:2017.11.15 06:20