TAIJIがサイパン行きの機内で暴行事件を起こした旨は先述したが、以上の話から予想できる通り、その諍いの相手は問題のマネージャー女史だった。
ただ、話はここから異様な展開を見せる。なんと、逮捕拘留中だった時期も、意識不明状態だった時期も、TAIJIから赤塚氏のもとにメールが届き続けていたのだというのだ。
その一連のメールはこのようなものだった。
〈プレゼント:クレジットカードで払った場所どこだっけ(中略)返金してください。他にもかなり使ってしまい訴えられたら犯罪になる〉
〈神様が来ます。振り込み頼むね。口座開いてください。他にもありましたらまとめて神様に電話して天罰が当たります僕たちは。電話して神様に謝りなさい頼むね〉
〈クレジットカード請求77万円でした。なんとも。。。ともみさんは逆切れ?〉
さらには、〈市川市の実家の住所調べてすぐ連絡ください〉とのメールから、15回にわたりTAIJIの実家の住所を教えるよう要求するメールが届いたという。
現在、このなりすましメールの件は、赤塚氏が神奈川県青葉警察署に告訴状を提出し、受理されているのだが、出頭要請がなされているマネージャー女史は、いまだ応じていないという。
これだけでも十分異常な事件だが、TAIJIの死に関して、もうひとつ大きな疑惑がある。それは、“拘置所内で何が起きていたのか”という問題だ。
彼が意識不明になったという一報を聞きつけ、赤塚氏とTAIJIの親族はサイパンへ急行。そこでTAIJIと対面を果たすのだが、首吊りと聞いていたのにも関わらず、首にそれらしき痕はなく、その代わり、顔は腫れ、口には粘着テープの跡のようなものがこびりつき、さらに、胸板には棒状の細長く赤い痣がついていたという。
その状況に納得のいかない親族は繰り返し説明を要求。しかし、主治医からは「病院に運ばれた時にはすでに脳死状態だった。ご親族が到着するのを待ちながら、精いっぱい延命治療を施した」と言われるばかりだった。
このことに対して疑念の晴れなかった赤塚氏はTAIJIの死のあと、サイパンの病院にカルテの開示を要求。しかし、カルテは紛失されており、見ることはかなわなかった(カルテの保存はアメリカの法律により義務付けられているので、これは法的責任の問われる過失)。さらに、開示請求した死亡報告書を確認すると、なんと、司法解剖も死後解剖も、何も行なわれていないことまで判明した。