反省などさらさらないどころか、逆にASKAが“うまく逃げただけ”“嘘を付いている”といわんばかりの内容だった。これに対してはネットを中心に疑問の声が噴出。同日の『スッキリ!!』(日本テレビ)で司会の加藤浩次が「僕自身も起訴の方向になると思っていて(略)僕自身もしっかり考えないといけないなと思った」と反省コメントをしたこともあり、さらに宮根への批判が殺到、冒頭で紹介した謝罪になったと思われる。
しかし、実はその謝罪発言の詳しい内容をチェックしてみると、それはとても「謝罪」とは呼べるシロモノではなかった。宮根はまず、こう切り出した。
「尿検査をした本人のものである。陽性が出た。これはもう、本人がほぼほぼ覚醒剤を使っていた所持していたって思うじゃないですか。それが絶対的証拠っていうことになりますよね」
相変わらずの“そう発表されたんだから覚醒剤を使っていると思って当たり前”発言。そのうえで、報道の仕方を「ちょっと考えたい」と言いながら、こんな言葉を口にする。
「僕はちょっと反省しました。もし、本当に、もしもですよ、仮にASKAさんが無実ならば、謝らなくちゃならないことだし」
“もし”“かりに”無罪だったら──。宮根は何を言っているのか。ASKAは警察が立証を断念し、検察も嫌疑不十分と判断して不起訴処分で釈放となっている。つまり“無罪釈放”されたのだ。しかし宮根はそれをどうしても認めたくないらしい。最後にこんなコメントで締めくくったのだ。
「(本当に無実なのか)このあたりが我々、わからないことですが」
ようするに、宮根はこの期に及んでも、自分たちの報道姿勢を本気で反省する気などまったくないのだ。
だが、こうした態度をしていたのは宮根だけではない。逮捕前から逮捕まで、見世物のように実況中継し、ASKAが逮捕前に乗ったタクシーのドライブレコーダーを“公開”するなど、散々イジり回し笑い者にしてきた他ワイドショーも同様に、反省するどころか完全に開き直っていた。
たとえば『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)では、安藤優子が「尿検査で陽性が出たのは警察側が発表した事実」とその責任を警察発表に押し付けるような発言をしているし、『とくダネ!』(同)では釈放後のASKAブログに対し小倉智昭が「読んでも何を言いたいのか伝わってこない」とASKAに説明責任があるかのような物言い。『ひるおび!』(TBS)でも恵俊彰が「驚きましたね〜」「一体どういうことなんでしょうか?」とまるで他人事のようにコメントしていた。
彼らに共通しているのは「警察が発表したのだから事実だと思うのが普通でしょ」という論理だ。一体これまで警察発表したなかに幾多の冤罪があったのか知らないのか、と言いたくなる。