小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

「WELQ」のことはいえない? 不当表示“水素水”に群がった大企業とブームを煽った「週刊文春」の責任

 そもそも水素水は、2007年に太田成男日本医科大学教授(細胞生物学)の研究チームが世界的権威を持つ医学誌「Nature Medicine」に動物実験による水素の効果を実証した論文を発表、これに企業が飛びつき、2015年から16年にかけて大ブームとなった。巷は“水素関連商品”であふれかえったが、とりわけ2011年から太田教授と二人三脚でその効能を喧伝してきたのが、昨今“文春砲”などともてはやされる「週刊文春」(文藝春秋)だった。

「文春」は普段、あやしげな健康食品や健康商法を批判し、ぶっ叩いているのに、なぜか水素水については逆に大礼賛の立場をとっていた。つまり、大ブームの火付け役の一端を担ったといっても過言ではなく、他メディアとの“水素水論争”でも全面擁護の論陣を張っていたのだ。

 たとえば今年5月には、産経新聞がウェブ版「産経ニュース」16日付で「美容、ダイエットと何かと話題の『水素水』 実はかつてブームを巻き起こした『あの水』と同じだった…」と題した記事を公開。「今話題の水素水の多くは、電解還元水のことで、かつてアルカリイオン水と呼ばれたもの」(石川幹人・明治大学教授)、「水素には何かの効果があるかもしれない。しかし、市販の水素水に効果があるかと言われれば、ゼロだろう」(唐木英明・東京大学名誉教授)との指摘を紹介している。

 また、東京新聞も5月31日付で「健康効果実証されず 医薬品でもトクホでもなく…」という記事を掲載。水素水ブームに警鐘を鳴らす左巻健男・法政大学教授が、「そもそも水素は大腸でも発生し、おならの10~20%を占め、外に出ないで体内にも吸収される。これは水素水から摂取する量よりはるかに多い」と指摘した。

 すると「文春」は、こうした批判に猛反論。6月9日号で医学的効果の提唱者である太田教授を登場させ、「水素水『効果ゼロ』報道に異議あり」と展開したのだ。

 記事では、産経ニュースが主張する「水素水はアルカリイオン水と同じもの」という点について、太田教授に「アルカリイオン水は水素が溶けているとしても量が少ない」「(市販の水素水とは)まったく別物」と反論させたうえで、複数の臨床試験が行われていると紹介。さらに、研究者や医療関係者、そして水素水愛飲者らのコメントのかたちで、認知症や糖尿病の予防改善、メタボ対策、勃起不全の治療、また、アンチエイジングや疲労回復にも効果があるとその効用を強調した。

関連記事

編集部おすすめ

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する