しかし、ベッキーに対してはあれだけ重大犯罪のように徹底的に糾弾したマスコミが、阿川については、不倫・略奪を知りながら、ここまで遠慮するというのは、いくらなんでも不平等すぎるだろう。
しかも、それは阿川のケースが熟年カップルだからではない。熟年でも松田聖子や小林幸子は叩かれた。
週刊誌が阿川の不倫に踏み込まないのは、阿川が売れっ子エッセイストであり作家だからだ。
ご存知の通り、マスコミ、特に出版社にとって作家はアンタッチャブルな存在として、批判がタブーとなっている。スキャンダルを掲載するなんてことはもとより、ちょっとでもご機嫌を損なうようなことも決してしない。
それは強面「週刊新潮」や 、“文春砲”などと盛んにもてはやされている「週刊文春」(文藝春秋)も例外ではない。新潮社は阿川の小説やエッセイ、翻訳など多数出版している。文藝春秋は100万部のベストセラーとなった『聞く力』や『強父論』はじめ著書も多数出しているし、何より阿川は「週刊文春」の名物連載でもある連載対談のホストを長く務めている。「女性セブン」の小学館もドラマ化もされた阿川の初長編小説を出版している。
実際、先述の嵐山光三郎はこんな話も明かしている。
〈2カ月くらい前、週刊朝日で連載中のコラム「コンセント抜いたか」で、あの阿川佐和子もついに結婚かって一言書いたら、ゲラで削られちゃったんだよ(笑)。編集部で事実がつかめませんからって言ってさ。〉
相手が作家というだけで、この気の遣いよう。いずれにしても、今回の阿川のケースをみると、出版社にとって自分に利益をもたらしてくれる身内は「不倫」したっていいということだろう。だったら、ベッキーやゲスの極み乙女。川谷絵音にもその十分の一くらい優しくしてやってくれたってよさそうなものだが……。
(林グンマ)
最終更新:2016.11.28 01:13