同書はこの間、読売巨人軍がとってきた不祥事対策についてこう苦言を呈している。
〈コンプライアンスの重要性は、いまさら言うまでもない。
しかし、表面上のコンプライアンスに囚われすぎると、そこには落とし穴がある。
法令の解釈そのものを変えることによって、常識的に考えれば法令違反もしくは違反すれすれの行為でも、理屈上は正当化できてしまうからだ。
(中略)
解釈によっていくらでも言い逃れが可能になるという認識が球界に拡散すれば、モラルは堕落し、いくら選手たちを徹底した教育と管理で縛っても、永遠に不祥事はなくならないだろう〉
今回起きた野球賭博問題は、読売ジャイアンツの、果ては日本の野球界に巣くう悪い膿を出しきる絶好のチャンスであった。しかし、現在進行している流れのままいけば、またそう遠くない未来、再び黒いスキャンダルが噴出する可能性は高いと言わざるを得ないだろう。
(井川健二)
最終更新:2017.11.24 06:42