ネットで“皇族になりたいマン”と揶揄されている竹田サンだが、やっぱりそこらへんが本音なのだろう。今、自分が天皇になるのはさすがに無理だが、自分の子や孫、近親者を皇室に送り込みたい。そんな個人的願望が透けて見える。実際、竹田サンは数年前、こんなツイートをして、物議をかもしたこともある。
〈詳細は言えませんが、昨日旧皇族の一族(一部)が集まって皇統の問題を協議しました。勿論自ら皇籍復帰を希望する者はいませんが、いざとなったら男系を守る為に一族から復帰者を用意する必要があると意見が一致しました。法整備ができれば何とかなりそうです。〉
「皇室の伝統」をがなりたてながら、天皇や皇室の歴史について知識も見識もなく、皇室制度を自らの権威や権力のために利用しようと、妄想としか思えない暴論を垂れ流す。その浅薄さにはただただ呆れ果てるしかないし、なぜ、テレビがこんな人間をパネラーやコメンテーターとして起用するのか、本当に不思議でしようがない。
もっとも、この浅薄なエセ伝統主義者というのは、竹田サンだけの話ではない。安倍首相も天皇や皇室問題については、ほとんど同じなのだ。
安倍首相は、2012年の当時の民主党野田内閣が女性宮家を検討している最中、「日本会議」が中心となる「皇室の伝統を守る国民の会」の設立総会に出席し、“男系カルト”ぶりを見せつけていた。
「小泉政権時に発足した『皇室典範に関する有識者会議』の結論は、皇室の伝統と文化を合理主義で考える、きわめて間違った姿勢のものだ。私が小泉政権の官房長官であったとき、『有識者会議』の結論について、次の『内閣は拘束を受けるか』との質問があったが、私は『一切受けることが無い』と答え、安倍内閣では白紙撤回となった。まして民主党政権がこの結論にこだわる必要は全くない。宮家は皇室の藩屏としての役割があり、安定的な皇位継承という大きな役割を担っている。何故、戦後皇室を離脱した11宮家の皇室復帰について、選択肢として考慮をしないのはおかしいではないか。ここに基本的な問題がある」(日本会議ホームページより)
そう考えると、今回『朝生』で竹田サンが見せつけてくれた狂乱ぶりや自家撞着は、安倍首相や日本会議に代表される“極右エセ伝統主義者”たちのファナッティックさやクレイジーさをよくよく視聴者に分からせてくれたともいえる。
先に、なぜテレビはこんな人物をコメンテーターやパネラーに起用するのか、と糾弾したが、撤回しよう。竹田サンにはこれからもそのカルトぶりを世間に知らしめるために、ぜひご活躍願いたいところである。
(宮島みつや)
最終更新:2016.08.30 12:09