これには、え?皇室典範改正するの? さっき改正反対って言ってたんじゃなかったっけ? と目が点に。当然、高森氏も「だから、あなたも(皇室典範を)変えるわけですよね?」「それは典範を改正するという意味ですよ」と竹田サンにそのことを指摘したのだが、すると、竹田サンは逆ギレして、こう叫んだのだった。
「どっちでもいいんですよ! 一代限りなんだから!」
さらに、視聴者の質問から「天皇崩御」の際の殯(もがり)の行事の話になると、竹田さんのカルトぶりはさらにエスカレートしていった。天皇は「お気持ち」のビデオメッセージのなかで、崩御に際する殯などについて「行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります」と述べたのだが、竹田サンはこんな私見を意気揚々と語り出したのだ。
「ただ、私の個人的感想でいうと、あの儀式を近くで見ていたことによって、“日本ってスゴいな”とか、“皇室ってスゴいな”とかっていうのを、なんか子ども心ながら感じたのをよく覚えているんですね。で、昭和天皇の殯も、テレビでやってましたけど、あれを見て“ザ・ニッポン”みたいなものを感じた人って多いと思うんです。もちろん家族の負担が大きい、それもあるかもしれない。でも、やっぱり意味があるからずーっとですね、続けられてきたものなので、その価値というものも見ながら考えないと……」
だが、竹田サンは知らないようだが、大喪の礼をはじめとする大々的な殯の行事は明治になって復古調を意識して整備されたもので、「ずーっと続けられてきた皇室の伝統」ではない。神道学者の高森氏も「これは実は大正天皇の崩御のときに体系化されたものなんですね」と冷静に指摘していたが、竹田サンは華麗にスルー。続けて昭和天皇の崩御前後に起きた“自粛ブーム”による経済停滞について、こんな珍説をおっぴろげ始めた。
「ただここでですね、(今上天皇のメッセージに)経済の停滞という話がありましたけれども、ある方がおっしゃっていてなるほどなと思ったことがあるんですが、ちょうどあの崩御のあとに経済停滞しましたよね。ところがそのちょっとあとにバブルの崩壊があったわけですよ。で、もし昭和天皇の崩御が何年かあとだったら、あの時期にガンガンなんかどんどんバブルが大きくなっていって、バブル崩壊がもっと大きな被害を受けた」
バブル崩壊が小規模で済んだのは、昭和天皇の崩御のおかげ? もはやこじつけを通り越して、電波系としか思えないが、こうした支離滅裂ぶりは、テーマが女性天皇や女系天皇におよんだときも同様だった。