竹田恒泰公式サイト「竹の間」より
8月26日の『朝まで生テレビ!!』(テレビ朝日)は、「激論!象徴天皇と“生前退位”」と銘打たれ、日本会議のイデオローグとして知られる憲法学者・百地章氏、『天皇論』の著者・小林よしのり氏、神道学者の高森明勅氏、若手国際政治学者の三浦瑠璃氏など、右派論客が勢揃いしていた。
「生前退位」をめぐっては、本サイトでも指摘しているように、保守勢力の中で意見が大きく割れている。この日の朝生もおそらく喧々諤々の議論となるのでは、と興味津々で見守っていたら、ひとりのパネラーのせいで、完全にお笑い番組と化してしまった。
そのパネラーとは、竹田恒泰サン。竹田サンといえば、明治天皇の玄孫にあたる旧皇族(旧皇族というのはウソだが)を自称しながら、何かに取り憑かれたような極右的主張と在日朝鮮人攻撃のヘイト発言で知られる“ネトウヨのアイドル”だが、この日はいつも以上に支離滅裂、カルトとしか思えない発言を連発し、他のパネラーと視聴者を失笑の渦に巻き込んだのだ。
まず、メインテーマである「生前退位」についての主張からしてそうだった。竹田サンは一代限りの特別法で対処し、皇室典範には手をつけるべきでないと言い張ったのだが、具体的な理由について聞かれると、「伝統がありますから」とさんざん繰り返したあげく、こんなことを言い放ったのだ。
「昭和天皇が晩年なぜ天皇として見られていたのかといえば、ベッドのなかで祈り続けていたからです」
竹田さんはおそらく今上天皇が“高齢による体力の低下で天皇としての務めを果たせなくなってきた”と示したことが気に入らないのだろうが、しかし、だからといって、昭和天皇がベッドの中でも祈り続けたから国民が天皇として見ていた、などというなんの根拠もない妄想まで垂れ流すとは……。
しかも、笑ったのがその後の展開だ。神道学者の高森明勅氏が“特別法は憲法第2条違反なので皇室典範を改正すべき”と非常に真っ当な主張をしたのだが、これに対して、竹田氏は反論のために突然フリップを持ち出し、自前の特別法案と皇室典範改正案を披露。「皇室典範の一番最後にこういうふうに書けばいいんですよ。『天皇が譲位する場合は、国会の議決した法律の定めるところによりこれを行う』と」「高森先生はそれをご存知ないだけのことです」とドヤ顔で主張したのだ。