それどころか、再びネガティブキャンペーンを仕掛ける可能性も十二分に予測できる。
「えり子」の「子」を取るだけでも大変なのに、本名そのものを奪われたに等しい状態に追い込まれ、テレビから徹底的に排除される能年。クドカンは、「のん」という名前を擁護するかたちで、こうしたレプロの理不尽なやり口を批判したのだろう。
クドカンもこれから先、能年を待ち受ける〈道のりは険しいでしょう〉と書いている。ただ、テレビやメジャー資本映画とは違い、レプロ=バーニングの手のおよばないインディペンデントな映画やネットなどのオルタナティブな場所から起死回生を狙うことは、能年の才能と実力をもってすれば十分可能だろう。
クドカンも〈道のりは険しい〉としたうえで、コラムを能年へのこんなエールで締めくくっている。あらためて読むと、クドカンの能年の今後に対する強い気持ちがわかる。
〈あとは旧名時代を凌駕する代表作に巡り会えれば一気に浸透するんじゃないでしょうか。道のりは険しいでしょうが、のんさんの代表作が早く生まれるといいなと思います〉
「旧名時代の代表作」というのは言うまでもなく、自身の手による『あまちゃん』のことだ。つまり、自身の作品を超えるような作品を、とエールを送っているのである。
『あまちゃん』以上の作品、天野アキ以上の能年玲奈の当たり役は、ぜひクドカンにこそ書いてもらいたい。そう願っているファンは多いのではないだろうか。
(新田 樹)
最終更新:2017.11.12 03:06