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NHKディレクターが原発報道への圧力を明かした! 経営委員会で原発推進の番組をつくれという指示が

 それでも、福島原発事故直後はまだ、原発事故や放射能汚染について報道を続けようとしたメディアは複数存在した。

 しかし、同書ではその流れが再び失われ、原子力ムラに巻き返されていく経緯が、こんなふうに記されている。

「誰もがもはや『原子力ムラ』の影におびえず、のびやかに原発事故後の福島を取材していた。だが2012年が明けてから沈黙していた『原子力ムラ』の反撃が始まり、テレビは次第に失速していった。(略)
 高度の専門性と取材力を要する事故プロセスの検証は、NHK、朝日新聞など大手メディアが担ってきた。だが2014年になってまず前半でNHKの会長人事に政権の影響力が働き、後半で朝日新聞が政権と親和性の高い保守メディアの『朝日バッシング』に屈した。それは原発の稼働を目指す現政権にとって好ましいメディア状況の展開であったかもしれない。そして秘密保護法が施行されたいま、原発関連情報がセキュリティに関わるという理由で非公開とされることが懸念され、それに『不正に』アクセスするジャーナリストは逮捕されるリスクを負うことになる」

 同書では、さらに問題なのはこの「不正」を認定するのが政府だということだと指摘するが、その通りだろう。

 現場から見た原発報道の数々の不条理と圧力。そして闇雲なまでに再稼働に邁進しようとする政府と電力会社を筆頭にした原子力ムラ。今回の高浜原発に対する関電の申立て却下も、さらにどんな巻き返しが行われ、不正が行われるのか。

 今後も高浜原発関連の裁判には大きな注目を続けたい。
(伊勢崎馨)

最終更新:2017.12.05 09:47

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