左・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより/右・松井一郎オフィシャルホームページより
舛添要一東京都知事の政治資金問題についての調査結果に対し、案の定、批判の声が高まっている。もちろん、続投を決めた舛添都知事の図々しさは非難に値するものだが、しかし、「お前が言うな」とツッコミを入れずにいられない人物までが舛添批判にしゃしゃり出てきた。
それは、大阪府知事であり、おおさか維新の会代表の松井一郎氏だ。
「僕やったら辞めますね。恥ずかしくて、もう、表へ出てこられへんもん。どこかもうそれこそ、湯河原の温泉に隠れます」
血税が政治家によって不透明に使われている実態に国民が怒り心頭のいま、舛添都知事を批判することは格好のアピールとなる。だが、少なくとも松井府知事に、舛添都知事を批判する資格などない。
というのは、松井府知事にも同じように、政治資金規正法違反の疑いがあるからだ。
2012年10月、松井府知事は弁護士らから政治資金規正法違反容疑で大阪地方検察庁に刑事告発された。問題とされたのは、松井氏が府議時代に社長をつとめていた株式会社大通が、秘書2名の給与を支払っていたこと。こうした場合は松井氏の政治資金団体が政治資金収支報告書にその給与額を寄付として記載しなければならないが、07年1月〜10年12月までの間、記載を行わないまま収支報告書を提出していたのだ。その金額は、じつに1740万円にものぼる。
このような行為は政治資金規制法に抵触するものだが、「週刊文春」(文藝春秋)12年11月1日号は、松井氏が絡んだ大阪維新の会(当時)のさらなる政治資金規制法違反疑惑を報じた。
それは、松井氏の政治団体「松井一郎後援会」が、10年の収支報告書において、大阪維新の会宛てに「政治資金パーティ券購入費」として120万円を支出したと記載があるのに、かたや大阪維新の会の収支報告書の収入内訳には「松井一郎後援会」の記載がなかったのだ。政治資金規正法では、1回の政治資金パーティ当たり20万1円以上が支払われた場合は、支払った者の氏名もしくは団体名、住所、職業などを収支報告書に記載しなければならないと定められており、この大阪維新の会の行為は政治資金規制法違反の疑いが濃厚だ。