相手の男性が避妊や性感染症に対して深く考えないタイプの人であった場合、その場のムードを壊さないで解決する方法を壇蜜はこのように綴る。そして、それでもダメだった場合、彼女はきっぱりとこう言い切っている。
〈もし、女性からしてほしいことを言ってもしてくれない殿方であれば、ダラダラ関係を続けずにさっさと見切りをつけたほうがいいと思います。
(中略)
してほしいことを「して」と言える関係か、してほしくないことを「ノー」と言える関係か、冷静に判断しましょう。
互いの擦り合わせがうまくいかなければ、この先ずっと彼と一緒にいることは難しい。セックスに不満を抱えたまま、円満に交際を続けているカップルはまず見たことがありません。こうしたことで我慢はしないでくださいね〉
日本は先進国で唯一HIV感染者が増加しており、また、年間19万人にもおよぶ人工妊娠中絶のうち1割強を10代が占めていることから、性教育のあり方が問題視されている。そんななか、性感染症や避妊についてこれだけしっかりした考えをもっているのも、彼女が『NHK高校講座』の先生に選ばれた要因なのだろう。
性にまつわる問題というと、AVで展開されるアクロバティックなセックスを普通のセックスと勘違いし、強引な潮吹きなど身体に無理のある性行為を求める男が増えていることがしばしば話題になるが、それについて彼女はこのように語っている。
〈AVは、ある意味ファンタジー。女性は「これは殿方のファンタジーだ」と心得て、異世界の話として鑑賞するといいでしょう。
その上で、自分にできそうな要素だけを抽出して、殿方のドリームを雰囲気だけでも叶えてあげればいいのではないでしょうか〉
彼女が言うようにAVはあくまでファンタジーの産物なのだが、使いようによっては彼氏や夫の深層心理を覗き見るための便利な道具にもなってくれるのかもしれない。壇蜜はこのように提言する。