小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

HKT新曲の歌詞が女性蔑視だと大炎上…「女の子はバカでいい」と書く秋元康のグロテスクな思想は昔から

 ちなみに、曲タイトルにある「ディアナ・アグロン」とは、アメリカの大ヒットドラマシリーズ「glee」で美人チアリーダーのクイン・ファブレー役を演じた女優の名前。今回炎上の発端となったのは、ディアナ・アグロンや「glee」の名を出しながら、女性差別・同性愛差別・人種差別・障がい者差別などの問題を丁寧に描いた「glee」とは完全に真逆の「女の子はバカで可愛い方がいい」というメッセージを出したことにgleek(「glee」ファンの通称)が怒りをあらわにしたことにあるのだが、AKB48グループのファン以外には知られていないので今まで炎上案件になっていないだけで、同グループのディスコグラフィーを掘っていくと、実はこういった類の楽曲はゴロゴロ転がっている。

 たとえば、07年に発表された「涙売りの少女」。その内容は、〈大事なもの失くして行く その不安に怯えて 派手な化粧 仮面つける16の夏〉〈まるでマッチ売りの少女 私には何もなくて 売るものが見つからない 頬伝う涙買ってください〉と、援助交際に走る少女を下世話な週刊誌のように露悪的に描いたものだ。

 09年発表の「口移しのチョコレート」もひどい。阿木耀子にしろ、阿久悠にしろ、松本隆にしろ、つんく♂にしろ、アイドルソングの優秀な書き手は、歌詞のなかでどこか「性」を感じさせる暗喩を散りばめるのが上手く、その能力は職業作詞家として必須のスキルとも言える。だが、秋元の場合はメタファーではなく、露骨で、単なるセクハラだ。〈チョコレート 口移しして いつものキスじゃつまんないよ 強引にねじ込んで… チョコレート 舌で溶かして あなたの愛を舐めたいの 唇をはみ出して… ヤラシイ音を立てる〉──、これを歌わされるメンバーは、レコーディングブースのなかで何を思ったのかと、胸が痛くなってしまう。

 また、まだ発売前なのであまり話題になっていないが、今月27日発売予定のNMB48のニューシングル「甘噛み姫」に収録されるカップリング曲「恋を急げ」の歌詞は、これまであげてきたような女性蔑視的な思想とセクハラ表現の集大成のような内容だ。

〈定期的に恋をしないとね 劣化していくよ 蜘蛛の巣ほら張ってるよ 食欲が性欲に勝ってるなんて なんか悲しいね このまま行ったら年とっていくだけ 急いで恋をしなくちゃ一人に慣れてしまうよ 女の子の賞味期限あっという間に過ぎちゃう〉(筆者聞き取り。リリース前のため歌詞カードの正式表記は不明)

 定期的な恋を妨げているのはあんたらじゃないのかとツッコミを入れたくなるが、テン年代も半ばを過ぎて〈蜘蛛の巣ほら張ってるよ〉という歌詞表現が当たり前に通用すると思っているところに、なんともグロテスクなものを感じてしまう。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する