〈そんな安倍首相は、しかし女性の埋もれた力をもっと活用するという「ウーマノミクス」を推進しようとしているらしい。
って、いったいどちらに行けばいいの安倍さん。……と、私が子産み世代であれば、首相に問いただしたくなると思います。安倍さんは、本当は「女は家で子育てして男が外で働くってことにしておけば話はややこしくならないのに……、ああ面倒臭い」などと思いながら、しかし時流に逆らうことはできないから「ウーマノミクス」などと言っているのではないか〉
この酒井氏の見立ては、きっと当たっているはずだ。だから「保育園落ちた」ブログの切実な内容を突きつけられても「実際ほんとうに起こっているか、確認しようがない」と言ったり、肝心な場面で「保育所」をよりにもよって「保健所」と言い間違えてしまうのだろう。
もういっそのこと、安倍首相には「子を産み家で育てるのが女の仕事。子育てしながら働かざるを得ないというなら自己責任でどうぞ」と、その本音をぶちまけていただきたいものだが、もうひとつの問題は安倍的なる「子育て右翼」が跋扈している現状だ。
〈今後「子産みをせずんば女にあらず」という風にはなってほしくないなぁと、私は思う者。「女にとって最も重要なことは」とか「男にとって最も重要なことは」といった考えは、多くの人を生きづらくさせるのですから〉
酒井氏はこう言いながらも、同時に〈極端な少子化の反動として〉今後も〈子育て右翼の発言はさらに増えていく〉と危惧を述べている。
もしかしたら、大阪の中学校校長のような声がどんどん大きくなって、当たり前になってしまう時代がすぐそこまでやってきているのかもしれない。
(田岡 尼)
最終更新:2017.11.24 08:59