その2 吉田豪がターザン山本にマウントされボコボコ事件
吉田豪に彼女をバラされたターザン山本が暴力で報復、そのとき、水道橋博士が止めに…
打って変わって、こちらはサブカル畑のエピソード。吉田豪氏と「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)元編集長としても知られるターザン山本氏との間でトラブルである。
事件は、「紙のプロレス」と「プロレス激本」、二つのプロレス雑誌の対決イベント『第1回ターザン山本まつり〈ターザン山本、お前はすでに死んでいる?! 〉』で起きた。
加藤「イベント中、吉田豪さんが、ターザン山本さんの彼女にインタビューしたビデオを突然流したんですよね。そしたら、ターザン氏が激怒して、ステージ上で吉田豪のことをマウントしながら殴ったりとか。もうそういうのはしょっちゅうです(笑)」
この殴る蹴るの暴行は、プロレスではなく、紛れもないシュートであった。顔を紅潮させ本気で吉田豪氏を襲うターザン山本氏。そんな彼を取り押さえるべくステージに一人の男が上がった。なんとそれは、お店の人間ではなく、お忍びで客として来ていた浅草キッドの水道橋博士であった。
この時の様子を、吉田豪本人もLOFT PROJECTが発行しているフリーペーパー「Rooftop」2010年3月号でこう振り返っている。
〈その映像を出されたターザンがマジ切れして一人で大暴れして、スクリーンに酒とか掛けて駄目にして、コップを投げて割ったらそのガラスで自分の足を切って、その翌日に「破傷風寸前になったから責任を取れ!」って電話してきたんだけど、勝手に自滅しただけじゃねぇか!っていう(笑)〉
そのイベントを偶然見ていたというマキタスポーツ氏も〈あのときは「なんて酷いことするんだ!」と思う反面、「すげ〜面白いことするなぁ〜」って思ったもん〉と語っている。ロフトプラスワンでは、後もこういった伝説が何度も生まれることになる。そういった歴史の積み重ねにより、ロフトプラスワンは「サブカルの殿堂」になっていったのだった。