今ネットで問題視されている「民主党時代よりはマシ」発言も、むしろ、田原氏の誘導質問に答えた形で、「(アベノミクスは)悪かったっていうより、今ちょっとやや横ばいなのかな、って印象はあります」と、安倍政権の経済戦略に疑問を呈して発言を終えていた。
つまり、“自民党のサクラ”であるはずの自民党区議でさえ、自分の経営している中小企業の実態を聞かれたら、「ない」「儲かっているのは大企業だけ」と答えざるをえなかったということだろう。
ここで、一昨年の衆院選前を思い出してほしい。安倍政権は、アベノミクスの評価を聞く街頭インタビューを放送したTBS『NEWS23』へ対し「厳しい意見を意図的に選んでいる」とまくしたて、在京キー局に〈公平中立ならびに公正〉を盾にした圧力文書を見まった。さらに“アベノミクスは全体に波及していない”と報じたテレビ朝日『報道ステーション』に対しても恫喝文書を送りつけて、〈アベノミクスの効果が、大企業や富裕層のみに及び、それ以外の国民には及んでいないかのごとく断定する内容の報道〉と批判、「放送法」4条を持ち出して露骨に圧力をくわえていた。
ところが、今回の『朝生』では、他ならぬ自民党議員自身が“アベノミクスの失敗”を証言しているのだ。
今回、問題にすべきなのは、サクラ工作よりもこちらのほうだろう。安倍自民党は、恫喝文書を送りつけたテレビ局と有権者に謝罪すべきではないのか。
(宮島みつや)
最終更新:2016.01.03 09:57