安倍首相が爆買いしていた『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)
テレビ朝日『報道ステーション』古舘伊知郎氏の降板発表の翌日、今度は本サイトがかねてより報道してきたTBS『NEWS23』のアンカー・岸井成格氏の降板を日刊スポーツが報道した。本サイトの取材では、まだ正式決定にはいたっていないということだったが、もし本当にTBSが岸井切りを決めたのだとしたら、まさしく政権の圧力に屈した報道機関の自殺行為というしかない。
というのも、この降板問題に火をつけた『NEWS23』岸井攻撃の意見広告は、明らかに安倍首相の別働隊によって仕掛けられたものだからだ。実は最近も、この意見広告を出した団体と安倍首相との間の決定的な癒着関係が明らかになった。
改めて説明しておくと、この団体は「放送法遵守を求める視聴者の会」。岸井氏が安保法制強行採決直前の放送で「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言したことに対し、「放送法」第4条をもち出して〈岸井氏の発言は、重大な違法行為〉と攻撃する意見広告を11月14、15日に産経、読売新聞に出した。これでTBSが 震え上がり、上層部が内々に岸井氏の降板を決めた、というのがここまでの流れだ。
本サイトではこれまで、「視聴者の会」が放送法や知る権利の本来の意義を歪曲していること、また中立を装いながら、実はその正体が日本会議などにも深くかかわる“安倍応援団”であることを追及してきた。
しかし、同団体と安倍首相との関係はそれ以上だった。鍵を握っているのは「視聴者の会」の事務局長を務める小川榮太郎氏だ。「視聴者の会」を立ち上げ、実質的に仕切っている人物で、同会がテレビの報道内容の調査を委託した「一般社団法人日本平和学研究所」の代表も小川氏が務めている。
その小川氏は、自民党総裁選直前の2012年9月、『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍礼賛本”を出版、デビューしており、この本がベストセラーになったことが、安倍首相復権の第一歩につながったとされている。
ところが、この「視聴者の会」の首謀者の著書を、安倍首相の資金管理団体である晋和会が“爆買い”していたことがわかったのだ。