「Take Off Mg」HPより
パリ同時多発テロをきっかけに、自民党がさっそく共謀罪の検討をぶちあげるなど、国民への監視強化の動きが出てきているが、これに呼応するようにテレビが一斉にとんでもないことを叫び始めた。
フランスがテロにあったのは自由と人権を尊重しているからだ──。
たとえば、11月18日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)。速報でパリ郊外にて発生した銃撃戦を伝えるなか、スタジオで司会の宮根誠司が「イスラム過激派というものに対する根本的な解決は果たしてあるだろうか?」と語ると、コメンテーターの橋本五郎・読売新聞特別編集委員が突如、こう持論を述べ始めた。
「パリっていうのは非常に象徴的で、フランスはやはり人権とか自由とか、そういうものを重んずる。そうしますとどうしても、まあ、そこは独裁国家のようにはいかない。そういうところを(テロリストが)狙っているというのが言えますよね。これから非常にそれは厳しくなるでしょう。ある程度やっぱり(人権の制限を)我慢しないと」
いくら“安倍親衛隊”読売の編集委員とはいえ、よくもまあこんな無茶苦茶なことが言えるもんだ、と唖然としていると、橋本のコメントを受けた宮根もまた、驚愕すべきことを口走った。
「フランスという国は人権とか自由があって、監視カメラも他の国に比べれば少ない。それから『シャルリ・エブド』が狙われたときも、盗聴とか電話の傍受とかそういうことをやらなくちゃいけないんじゃないかっていう、一回、世論が起こったんですけど、それはやりすぎだろって話が起こって。フランスというところは、ちょっと、こういうことが起こってしまったから言うわけじゃないんですけど、非常に、甘くなっているのがあるんですよね」
人権や自由とか甘いこと言ってるからこんなことが起きる、もっと監視や盗聴をしていればテロは防げた、宮根たちはそう言いたいらしい。
いや、こうした主張をしているのは『ミヤネ屋』だけではない。『ひるおび!』(TBS)『情報LIVE グッディ!』(フジテレビ)など、多くの情報番組、ワイドショーがまるで申し合わせたように、フランスが自由と人権を尊重したせいでテロが起きたと大合唱を始めているのだ。