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作家・島田雅彦が安倍批判小説を発表!「安倍自民はルペンやネオナチと同じ極右」との批判も

 危機を叫ぶくせに外交努力を怠り、社会保障費を削って軍拡を進めるだけで、未来のビジョンはさっぱりない。普通に考えれば、アメリカから見れば日本はたんなる金づるでしかなく、いくら中国と軍拡を競っても日本に勝ち目はないのだ。だからこそ島田氏は、憲法9条の“外交的影響力”を主張する。

〈大日本帝国を復活させたら、敗北もまた反復しなければならない。どっちに転んでも、日本がマゾ的政治状況を甘受しなければならないなら、憲法九条に忠実に戦争放棄を徹底し、自衛隊を災害救助隊や、国内テロに対応する警察予備隊に戻し、非同盟、中立を宣言するという選択もあるのだ。そうすれば、これまでの外交の敗北は一転、外交の勝利となり、戦争せずとも米中露のような帝国に理念的に対抗できるはずなのだが、こういう議論を悪い冗談だと思う人がまだ多数を占めるのは悲しいことである〉

 戦後70年、アメリカの意のままに操られつづけてきた日本。ゆえに島田氏は〈いわば永遠のオルタナティブとして、公然とアメリカの方針と違う政治姿勢を取る根拠になり得るのが、現行の憲法だ〉と評する。そう、〈本当に日本の自立を志向するなら、日米安保ではなく、日本国憲法に忠実たればよい〉からだ。

 安保法制の可決を振り返り、島田氏はこう綴る。

〈二〇一五年の夏は、「優しい日本人」が笑顔を強張らせ、銃を手に取る未来への忌まわしい転換点として、世界の人々に記憶されるだろう。時の政権の暴走を止められず、気がついたら平和国家とは別のルートに乗せられ、アメリカの傭兵にさせられ、戦地で武器を手に戦い、東京ではイスラム過激派のテロが日常化する。このままいくとそれが日本の現実になる〉
〈安保法制をめぐる国会答弁にしても、折々の総理の発言にしても、虚言やすり替えや誤摩化しのオンパレードで、このような支離滅裂な人物に国政を委ねること自体が国家存立の危機だと思った。議会制民主主義はそうした危機を招いてしまうことに多くの国民が気づき、異論を唱えたり、デモに参加したりと理性的な行動に出た。安倍を退陣に追い込んでも、対米従属、日米安保堅持、改憲の方針を踏襲する別の総理が現れるだろう。彼らの暴走に歯止めをかける保険として、サヨクには復活してもらう必要がある、と三十二年前に『優しいサヨクのための嬉遊曲』を書いた私は思う〉

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