小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

9条廃止を掲げるJC=日本会議が中学校で憲法改正教育を展開! しかもNHKがそれを評価して紹介していた!

 学校側は「自分たちの主張を言わず、中立性を保つとの条件で許可した」というが、これでは、思想教育そのものではないか。18歳選挙権にあわせて文部科学省が学校内での政治活動禁止を通達することを決定したばかり。一方でそういう政治活動の自由を制限しながら、なぜこんな極右政治団体の教育介入は許されるのか。

 しかも驚いたのは、この授業を取り上げた『ニュースウオッチ9』の報道の仕方だった。いくらNHKでも、これはキャスターが危機感を表明するかと思いきや、スタジオは完全にスルー。JCの授業をまるで当然の取り組みであるかのように扱ったVTRがそのまま流されるだけに終わったのだ。

 NHKは、特集のなかで、「護憲派」の大学教員も登場させたことで“バランスをとった”ことにしたのかもしれないが、これはそういう問題ではない。憲法を教える大学准教授が語りかけていた相手は、大学生や彼を招いた市民。一方で、JCが「出前授業」を行ったのは、義務教育過程の中学校なのだ。これが“どっちもどっち”になるわけがない。

 くだんのJC「憲法論議推進委員会」は、会のFacebook上で10月5日に〈中学3年生9クラス約300人を対象に〉出前授業を行ったことを投稿しているのだが、その翌日も中学校で出前授業を開催するとし、こう続けていた。

〈この取り組みが評価されたのか、本日は急遽NHKの取材が入ることになり、注目度も上がっています〉(現在は削除済み)。

 もし、この投稿にあるようにNHKがJCの改憲への取り組みを「評価」したのであれば、これは由々しき問題だろう。現行憲法や民主主義を否定する一方的な教育を肯定することは、明らかに「政治的な公平」を規定した放送法違反である。いや、もしかしたら、この放送の背後には、JC「憲法論議推進委員会」でマイクを握っていたシーンが放映された自民党の長尾議員あたりからの圧力でもあったのではないか、そんな疑念さえ頭をもたげてくるのだ。

 いずれにしても、NHKはこの放送の意図を視聴者に説明する必要がある。
(宮島みつや)

最終更新:2016.06.21 02:16

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する