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9条廃止を掲げるJC=日本会議が中学校で憲法改正教育を展開! しかもNHKがそれを評価して紹介していた!

 ウェブメディア「ハーバー・ビジネス・オンライン」が、11月1日付で、JCと日本会議の関係、そして、今回の学校教育への介入について報じている(外部リンク:ハーバー・ビジネス・オンライン「日本会議とJCによる教育現場介入策略にハマったNHK」/取材・文=赤菱耕平)。これによれば、さいたま市の中学校で「出前授業」を行った樋口氏は、日本会議の機関紙「日本の息吹」2015年11月号に登場。掲載されたインタビューから、JCの「憲法論議推進委員会」がもともと「自主憲法制定委員会」という名称で活動していたことを明らかにしている。そのうえで、この10月に「埼玉県のある中学3年生9クラス約300人の生徒を対象に、徳育・憲法・領土・選挙についての出前授業を開催」し、その模様がNHKで放送されることを、事前にスクープしていた。

 事実、『ニュースウオッチ9』のVTRではJC「憲法論議推進委員会」の勉強会の模様も流れたが、そこでマイクを握っていたのは自民党の長尾敬議員。今年6月、百田尚樹氏の暴言が飛び出た自民党の「文化芸術懇談会」で、「(沖縄メディアは)左翼勢力に完全に乗っ取られている」などと発言して問題になった人物だが、彼は日本会議国会議員連盟の事務局次長である。そのことからも、やはりJCと日本会議はかなり深い間柄にあると考えるべきだろう。

 そして、このJCの「自主憲法制定委員会」は「JC日本国憲法草案」(以下、JC草案)なるものをホームページで公開しているのだが、それがまた極右丸出しの“トンデモ改悪案”。しかも、日本会議が日頃から主張している内容とそっくりなのだ。

 まず、JC草案では憲法前文が丸々とってかえられている。書き出しはこうだ。

〈日本国は、四方に海を擁し、豊かな自然に彩られた美しい国土のもと、万世一系の天皇を日本国民統合の象徴として仰ぎ、国民が一体として成り立ってきた悠久の歴史と伝統を有する類まれな誇りある国家である。〉

 おいおい、日本国憲法では“主権在民”が宣言されている憲法前文第一段落に、いきなり“天皇崇拝”と“国家の誇り”を持ってくるとは……。これだけでもくらくらしてくるが、JC草案が書き換えた第一条の内容もパンチがきいている。

〈第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は将来にわたって不変のものである。〉

 あの悪名高い自民党改正草案ですら、天皇の地位は「主権の存ずる日本国民の総意に基づく」という文言を残しているのに、それすら綺麗さっぱりなくしてしまっているのだ。初っ端からこの調子だから、もちろん、その後の項目も目ん玉が飛び出るようなシロモノの連続である。

 現行憲法の9条が置かれる「第二章 戦争の放棄」はオールカット(!)。代わりにJC案が新設するのが「第三章 安全保障」で、そこには〈個別的及び集団的な自衛権を有し、行使することができる〉〈軍隊を保持する〉と明記。現行憲法の平和主義はコナゴナだ。

 また見逃せないのが「国民の権利及び義務」。現行憲法で“国民の義務”とされているのは、教育、勤労、納税の3つだけだが、JC案ではやたらと国民の「責務」という文言を登場させて、事実上“国民の義務”の数をハンパなく増やしている。

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