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“日本礼賛本”を捨て“弾丸海外旅行”に出よう! 偏狭な愛国主義に陥らないために週末バックパッカーのススメ

 しかし、日常生活における“治安”という意味では、日本にも危険はある。同書では、日本における“ぼったくり”の現状をこう伝えている。

「2015年に入って新宿歌舞伎町でのぼったくり被害が急増していることをご存知だろうか? 昨年1年間で110番通報が約670件だったのに対し、今年は1〜3月だけで約700件と大幅に増えているのだ。なんでも東京オリンピック前に歌舞伎町がクリーンアップされかねないので、その前に荒稼ぎをするお店が増えているからだという」

 そう、この日本でも詐欺やぼったくりが横行しているわけであり、危険なのは海外だけではないのだ。しかも、歌舞伎町といえば、外国人の観光客が多い地域でもある。言わば、日本においても外国からの観光客を騙そうという人々が多くいるわけであり、十分に危険なのだ。

「『暗い夜道を歩くときは注意しろ』『知らない人についていくな』『怪しい言葉をかけてくる奴は無視しろ』、日本にいてもよく言われることだが、それを守れないから日本でもぼったくり被害に遭うわけである。そういった常套句はもちろん海外も同じであり、それを守るだけでリスクは大幅に減らすことができる。極端に怖がってしまう人はそういう場所に行かなければいいだけの話」

 当然の話だが、日本でも危ないところは危ないし、海外でも安全なところは安全だ。日本が特別に治安がいいわけではない。リスクを回避する努力をするかどうかが問題であり、国柄や地域性ばかりのせいにすべきではないのだ。

 そして、日本の過大評価といえばマナーというものもある。日本はマナーが良くて、海外はマナーが悪い、などという声もあるが、長妻氏の著書を読むと、それもある種の偏見だということがわかってくる。各国の文化によって様々であることは間違いないが、日本以上にマナーが良い国も少なくない。たとえば、スリランカ。

「アジアにおける数ある仏教国のなかで、もっとも印象深かったのはスリランカであった。スリランカも上座部仏教に属するのだが、極めて洗練された教えがいたるところに根付いていた。満席のバスや列車にお年寄りや乳幼児連れの母親が乗車すると、必ず誰かが席を譲る。100%の確率で譲るのである。おまけに、譲るのは必ず男性であり、20歳前後の若い成年が率先して席を立つ」

 日本の公共交通機関でも度々話題になる“若者が席を譲らない問題”だが、スリランカではほぼ100%そんなことはないのだ。日本人はこの点を見習う必要があるだろう。

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