このフリーランスのお坊さんは、独自の寺院の建立を計画。しかし、葬儀で稼げるお金だけでは到底足りないということで、お金持ちの老人をスポンサーにすることを思いつき、有力な候補の家に通い始めることとなる。
「マメに通い詰めるうちに、やがて2〜3人のスポンサーができ、その中のひとりの老婆が『永代供養と引き換えに』ということで、うれしいことに土地の譲渡およびお寺の建立資金を全額出資してくれることになりました。(中略)多分、永代休養以外にも永代セックスフレンドかなにかの約束が交わされていたに相違ありません。とにもかくにもその後、彼が『山村の無住職寺から拝借してきた』という仏様が本堂に飾られて、宗教法人権も無事獲得しました」
まるでホストのような“枕営業”で、パトロンから金を引っ張りだし、一国一城の主となるお坊さんもいるのだ。どうやらお坊さん業界は、想像以上に俗物的なものとなっているようだ。
映画、テレビでブームのお坊さんだが、実際の社会では、檀家制度が弱まり、仏教離れが進んでいる。こんなことを続けていると、それこそ仏教そのものが崩壊してしまうのではないか、と心配になってくるのだが……。
(田中ヒロナ)
最終更新:2015.10.20 12:09