しかしホームで生活を始めた佐々氏は、相変わらず妻なしでは暮らせなかった。幸子さんのもとにはひっきりなしに電話がかかり、「今日は僕、何を観たらいいの」(糖尿病でテレビ欄が見られないため)などと聞いてくるのだという。
ただ、それでも、幸子夫人にとっては、以前よりもはるかに自由で、解放された日々らしい。
「一人暮らしをするようになって、好きな時間に出かけたり、読書を楽しんだりできるのが嬉しいです」
そして、いかに自分が佐々氏にマインドコントロールされ、抑圧されてきたかに気がついた幸子夫人は、メディアで、積年の恨みを吐露したということらしい。
84歳という高齢の佐々氏には酷かもしれないが、しかしこれは妻に対して横暴の限りを尽くしてきた報いとも言えるものだ。日本の危機管理を声高に訴えてきた佐々氏だったが、最も身近であり守るべき家庭の危機管理さえ全く出来ていなかったということなのだろう。
(林グンマ)
最終更新:2015.10.18 10:15