危機管理のプロ・佐々淳行氏(画像は『人の上に立つ人の仕事の実例「危機管理」術』(三笠書房)より)
佐々淳行氏といえば、警察官僚として、東大安田講堂、よど号ハイジャック、あさま山荘事件など多くの公安事件を指揮した後、初代内閣安全保障室長に就任した「危機管理のプロ」。退官後も評論家として精力的にテレビ出演や執筆、講演などで危機管理の必要性を訴えてきた。
もちろんその思想はバリバリのタカ派で、集団的自衛権、安保法制にも大賛成の立場。今年8月、櫻井よしこや田久保忠衛など保守論客が安保推進のために設立した「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」にも、この呼びかけ人の一人として名を連ねている。
しかも、思想だけでなくその態度も元警察官僚丸出しの居丈高なもの。討論番組では、反対意見を「危機管理がわかってない!」と恫喝し、黙らせるシーンもしばしば見られた。
ところが、そんなコワモテの「危機管理のプロ」に反旗を翻した人物がいる。それが佐々氏と50年間連れ添った妻・佐々幸子さんだ。
「夫・佐々淳行との別居で私は命を吹き返した」
幸子夫人は「婦人公論」(中央公論新社)10月27日号で、こんなタイトルの衝撃的告白をしているのだ。一体どういうことか。
手記によると、幸子夫人は佐々氏との夫婦生活で相当な抑圧を受けてきたらしい。
「“奥方”である私は家を守り、世継ぎを生み育て、義母の面倒を見るのが当たり前。『男の仕事や生き方に口を出すのはけしからん』『側室くらい大目にみろ』という考えの持ち主(笑)。そういう夫の価値観に、私はずっとマインドコントロールされていたんだなって、最近よく考えます」
もちろん、家事も一切しなかった。
「食べたい時に用意がないと、代わりにお菓子をどんどん食べます。作り置きした食事を電子レンジでチンすることも、最後まで覚えられなかったくらいです」