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ライムスター宇多丸やECDが語るSEALDsの革新性…彼らは新しいシュプレヒコールをつくりだした!

 ベテランのラッパーとしてキャリアを積んできたECDをもってしても、参加者がコールを返しやすい環境をつくるのは難しかった。そんな状況を知ってか知らずか、SEALDsはここにひと工夫を加える。それは、コールの練習。そして、「○○はんたーい!」のコールに対して「○○はんたーい!」と返す旧態依然としたシュプレヒコールをもっとクールなものにしたことだった。まず、練習について、前掲の高橋源一郎との対談本ではこのような記述がある。

牛田「デモ前日に(中略)紙に印刷したんですよ」
奥田「練習したよね。デモが始まる三十分前に集まって、「コール練習しまーす!」って」
牛田「「言えますかー?」とか言ってね。毎回練習やってるんです。配るチラシにコールの内容を書いてある」

 また、牛田は前出のラジオでこうも語っている。

「コール班みたいなのがあって。コールラインみたいな。で、アーカイブしておくんですよ。いままで出てきたコールみたいなのをアーカイブしておいて、慣れてない人はそれを見ながら、まあ、だいたい2回から4回で変えるみたいなのをちゃんと決めて、指導してるんです。ちゃんと。声の出し方の指導」

 この練習により、「民主主義ってなんだ?」というコーラーの声に「なんだ?」とだけ返したり、「憲法!」というコーラーの声に「守れ!」と返すなど、複雑かつ洗練されたシュプレヒコールが可能になった。今までの「○○はんたーい!」の声に「○○はんたーい!」と返すのは、「唱和」や「チャント」と呼ばれる。一方、コーラーの声に反応し、違う言葉を返すSEALDsのようなかたちは「コール&レスポンス」と呼ばれる。ヒップホップでおなじみのアレだ。その誕生にはこんな経緯があると言う。

「海外のデモでそういうコールがあって。それはシュプレヒコールじゃなくて、コール&レスポンスなんですよね。それはオキュパイ・ウォール・ストリートで“Tell me what democracy looks like”とコールすると、参加者が“This is what democracy looks like”って返すんですよ。驚いた。こっちが言う言葉と返す言葉が違う!(笑)。それってどうやったらできるのかなって思って。だってシュプレヒコールって、同じことをくり返して言ってるものじゃないですか。そんなの、見たことなかったから、それの日本語訳をやりたいと思って。その後に「民主主義ってどんな感じ?」、とかいろいろ訳をつくってみたりして。いろいろ出した中では「民主主義ってなんだ?」がしっくりきた。でも「民主主義ってなんだ?」をくりかえすのはテンポ的に言いにくい。だから「なんだ?」って言ったら「なんだ?」って返せばいいじゃんって」(前掲『民主主義ってなんだ?』より)

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