「今の東京五輪組織委からは、そうした(五輪運営の)知識を持ったJOCの人間が排除されてしまっているんです。組織委は“素人だらけ”です」(春日氏)
「それをやっているのが、森さん。自分の気に入らない人間を、組織委に入れさせないんだ」(元JOC幹部)
では、いったいなぜ、JOCを排除するのか。出席者のひとりは「ひと言でいえば、男の嫉妬」だという。
森会長は長年、日本体育協会(体協)の会長を務めてきたが、体協は国体の運営が主な仕事で、JOCと比べれば地味な存在だ。そのため「森さんは、自分より年下、格下の人間がJOCで活躍するのを見て、ずっと苦々しく思ってきた」(元JOC幹部)のだという。
ところが、子分の安倍晋三が首相に就任したことで、完全に復権。今やスポーツ界を完全に掌握して、協会や関連団体人事で横暴のかぎりを尽くすようになった。
「森さんが首を縦に振らないとどんな人事も決まりません。そして、自分に従順な人間は重要ポストに就けますが、嫌いなやつは排除するんです」(新聞記者)
特にJOCや五輪招致の功労者に対しては、上記のような嫉妬から、徹底して排除にかかるようになったのだという。
そのひとりが、JOCで副会長まで務めた水野正人氏。スポーツ用品メーカー・ミズノ創業者の孫として豊富な国際人脈をもち、東京五輪招致でも功労者とされる水野氏だが、森会長が“気に入らない”という理由で、組織委にすら入れなかった。
さらに、この座談会では、JOCから組織委に出向してきた2人の部長の上に、わざわざ局長を新設しておく、という嫌がらせ人事を行っていることも暴露されている。