さらに、『百田尚樹『殉愛』の真実』(宝島社)では、たかじん死去後、追悼番組を予定していた毎日放送に対し、Iが「これを流すと大変なことになるぞ」と脅して中止させたことも暴かれている。
また、このIは右翼人脈にも深く関わっており、在特会とのつながりも指摘されている。『委員会』は、元・在特会事務局長の山本優美子氏をゲストに招いたり、竹田恒泰氏が「在特会がいいこともしたんです」と擁護したりと、排外主義を肯定するかのような内容を日曜午後に堂々と流布しているが、その根本には、制作者のひとりであるI自身の志向が色濃く反映されているという。
そして、このIがもっとも深く食い込んでいる政治家が、安倍首相なのである。
「安倍首相が『委員会』に出演するようになったのも、もともとはIさんがきっかけだった。安倍首相が『笑っていいとも!』出演時にも花を贈っていた。Iさんが『殉愛』騒動があって、読売テレビがさくら夫人を切った後、I さんを切れなかったのも、安倍首相との人脈をもっていたからではないか」(在阪テレビ局関係者)
今回、安倍首相の来阪に会わせて、『委員会』出演をセッティングしたのもIだったという。事実、4日に安倍首相が読売テレビ入りしたときの映像が『ミヤネ屋』で流れていたが、そこには安倍首相を取り巻くIの姿が映し出されていた。
そう考えると、安倍首相がこのタイミングでこの偏向番組に出演したのは別に驚くような話ではないのかもしれない。安倍はもともと、『委員会』とその下劣なネトウヨ人脈にどっぷりと漬かっていたのだ。そして、ここにきて安保法制で総批判を受けたことで、ホームで慰められたいとネトウヨの巣窟に帰ってきたというだけなのだろう。
もっとも、そんな人物が一国の総理大臣を務め、こんな番組を放送する連中が堂々とテレビ局を名乗っていられるというのは、やはり、民主主義の国としては驚きを禁じ得ないが……。
(小杉みずず)
最終更新:2015.09.07 05:06