――先日皆さんが渋谷で安保法制反対デモに参加していたのと同じ日の同じ時間、TOKYO IDOL FESTIVALという、150組以上のアイドルが出演し4万人近くのお客さんが来場した、フジテレビ主催のアイドルフェスティバルが開かれていました。あっちのほうに参加したいと思ったりはしなかったですか?
木梨 “どちらのイベントに出たい”とかじゃなくて“私たちは何を訴えるか”が大事なんですよね。もしも、フェス側から「脱原発の曲を歌ってください」というふうにオファーされたんであれば、人もいっぱいいるだろうし、すごい発信力になると思うので、メンバーをデモ参加組とフェス参加組で二手に分けて両方に出演したんでしょうけど、いまの日本ではなかなかそうはならないじゃないですか。そういうアイドルフェスティバルではプロテストソングは歌わせてもらえない。だから、いくら活動の場が広まるといっても、自分たちの主張を曲げてまでそういうイベントに出たいとは思わないかな。
■沈黙しているミュージシャンの方には「怖気づくな!」と言いたいです
――みなさん、強いですね。その歳でどうしてそこまでの覚悟をもてたんだろう。
齋藤(乃) 最初からこんなに強かったわけじゃないですよ(笑)
木梨 はじめのうちは、傷ついたこともありましたよ。知らないうちに涙が出てる、みたいな。ツイッターに寄せられる誹謗中傷の言葉がすごくて、怖いなって思いましたし。「私たちがやってることって間違ってるのかな」なんて、一瞬迷ったこともありました。
齋藤(乃) でも、デモなどのイベントに参加するたびに応援してくださる方々の声も聞こえて、「頑張れる」って思いました。原発問題とかで苦しんでいる人の声を間近で聞いているんで、そういう人たちがいるって知りながら、私たちがくじけてられないなって思うんですよね。
齋藤(優) それと、一連の活動を通して学んだのは、“無知”を恐れちゃいけないんだなってこと。恥ずかしがったり、怖がったりして何も発言しないと、自分も世界も何も変わらない。行動してみたら、暖かく迎えてくださる方も、応援してくださる方もたくさんいらっしゃるから。皆さんも、おかしいと思うことがあるのなら「勇気を出して行動して!」ということを伝えたいですね。