こうした大人たちの対立構造がもともとくすぶっており、冒頭に紹介したメンバーの「妹分・弟分を認めていない」発言は、実はそれを反映したものだったのではないかと言われている。つまり、ヒャダインを切りたい川上氏と、川上氏が関係を断ったあともエビ中や超特急、たこやきレインボーといったグループでヒャダインに楽曲制作を依頼し続けている藤下氏との間で路線対立があり、川上氏がももクロメンバーにふきこんだのではないかという見方だ。
それにしても不可解なのは、川上氏のキレぶりだ。藤下氏はももクロが所属する事務所、スターダストプロモーションの芸能3部のトップというだけでなく、社内全体で見てもNo.3の地位にいる人物であり、川上氏にとっては上司にあたる。そんな人物に対して、「現場を知らない」呼ばわりし「許さない」と言い放ち、あげくツイートを削除させるとは……。
それだけ川上氏の力がスターダスト内で強まっているのか。あるいは上司にも楯突くくらいヒャダインとの間でのよっぽど許せない何かがあったのか。川上氏のあまりの拒絶ぶりに、ネットでは「ヒャダインはメンバーに手を出したのか」とまで言われている。
しかし、であれば、さすがに理事長が他のアイドルグループでもヒャダインを使うわけもなく、そんなことはあり得ないだろう。関係者の間では、楽曲の方向性など、制作面でのイニシアチブをめぐって対立があり、両者の関係が修復不可能になったのではと言われている。
実際、川上氏は「楽曲はみんなで作ったものです。曲に罪はありません」と、ヒャダインの功績ではないと言わんばかりのツイートを残している。
しかし、いずれにしても、もしその結果メンバーに、川上氏が妹分・弟分グループへの批判を言わせているとしたら、それは完全に私物化だろう。実際、すでにヒャダインを切ったことで、ファンの間で楽曲に対する不満は根強い。これ以上、川上氏がももクロを、自分の対立構造に巻き込むようなことがあれば、ももクロそのものの存在が危うくなってしまうのではないか。心配である。
(新田 樹)
最終更新:2015.07.03 11:44