岩本裕『世論調査とは何だろうか』(岩波文庫)
安保法制法案に「賛成」27.8%、「反対」58.7%──共同通信社が今月20日、21日に実施した全国電話世論調査の結果である。明らかに国民は安倍政権がゴリ押ししている安保法制にNOと言っているわけだが、ところが、ある別のマスメディアはこんな数字を出していた。
〈1.賛成 40% 2.反対 48% 3.答えない 12%〉
これは、読売新聞が今月8日に実施した全国電話世論調査結果だ。賛否を問われているのは同じく「安全保障関連法案」。読売の調査を参考にすると国民の意見は拮抗しているように見える。なぜ、ここまで違いがでるのか?
じつは、ここにはとんでもないトリックが隠れている。
「世論調査では数字が“力”です。その数字の扱いは注意を要するもので、受け取る側にきちんとした知識がないとだまされてしまうこともありえます」
そんな帯の警句が目を惹くのは、5月に刊行された『世論調査とは何だろうか』(岩波文庫)。著者の岩本裕氏は、NHK報道局科学文化部デスクを経て、現在は解説委員を務める人物。『週刊こどもニュース』(NHK)の3代目「お父さん」を担当していることでも知られている岩本氏が解説する“世論調査の罠”は、思わず膝を打つほどわかりやすい。