『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』(河出書房新社)
「狂った脂肪」「プラスチックを食べているのと同じ」。そんなふうに呼ばれている“有害な油”が大手をふって流通しているのをご存知だろうか。マーガリンやサラダ油などに含まれる「トランス脂肪酸」のことだ。
10年以上前から心臓病、動脈硬化を引き起こすといわれ、最近はぜんそくやアトピー、認知症との関連まで指摘されている。そして、今年6月16日、アメリカの食品医薬品局(FDA)がとうとう「トランス脂肪酸」を2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表。大きな話題になった。
しかし、日本では「摂取量が少ない」「健康へ影響をおよぼす可能性は低い」などとしてまったく規制されていない。実際、トランス脂肪酸は今も大手食品メーカーの主力商品で堂々と使われている。
公表されている主要な商品をざっとあげるだけでも、
▽山崎製パン 「ゴールドソフト」「ランチパック」「ロイヤルバターロール」「ヤマザキメロンパン」
▽日清オイリオ 「日清サラダ油」「日清キャノーラ油」「日清ヘルシーリセッタ」「日清ヘルシーコレステ」
▽ハウス食品 「バーモントカレー(ルウ)」「ジャワカレー(ルウ)」「北海道シチュー(ルウ)」
▽雪印メグミルク 「ネオソフトハーフ」「ネオソフトべに花」
ロッテ、森永、明治、グリコなどは公表してなさそうだが、これらのメーカーの商品でも、当然、トランス脂肪酸は使われている。
たとえば、ロッテの「コアラのマーチ」は開示義務のある香港では、1箱あたりWHOの基準値に相当する2gのトランス脂肪酸が含まれていることが公表されており、日本の製品でも同等の含有量があるのではないかといわれている。
しかし、ほんとうに人体への危険性はないのか。杏林予防医学研究所所長である山田豊文による『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』(河出書房新社)によれば、日本の悠長な対応が恐ろしく感じるほど、その危険性は衝撃だ。