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なぜ? リベラルの星・池上彰が韓国特番でネトウヨ、嫌韓本そのままのヘイトデマ解説

 見つけることができたのは、シンシアリーとあの小室直樹センセイくらい。シンシアリーは数年前から、自分の著書やブログ等で「韓国が反日なのは憲法に定められている」「臨時政府を正統性のある政府と認めているせいで、大韓民国の正統性そのものが危ない」「(韓国は)併合時代の必要性など認めません。受け継ぐは3.1運動であり、認めるは抗日闘争の精神です」などと主張していたし、小室センセイは1985年に出した『韓国の悲劇』や『韓国の呪い』(ともにカッパブックス)で、独立を自らの手で勝ち取れなかったことが韓国のルサンチマンになっているという論を展開していた。

 しかし、シンシアリーは匿名の韓国人というフレコミで、嫌韓本を多数出版している人物だし、小室センセイはファナティックな右派思想で鳴らした学者だが、専門は法社会学で韓国の歴史や国際政治はまったく専門外だ。しかも、これを出しているのはあのカッパブックスである。

 もしかしたら、池上はこんなものを参考に、「大韓民国の憲法は反日の建国神話だ」などと攻撃していたのだろうか。もちろん韓国のことを批判することも必要だし、実際、財閥支配や格差など、韓国社会には様々な問題がある。しかし、ネトウヨや嫌韓本と同じレベルでこんなずさんなヘイトデマを拡散するとは……。

 このところ、安倍政権に対して歯に衣着せぬ批判を展開する等、リベラルな姿勢を強めていたあの池上さんがなぜ、こんな番組に出て、デマだらけの韓国攻撃を展開したのか? 朝日問題の時は「売国奴」「反日」というレッテル貼りを徹底批判していたのわざわざそれを煽るような「反日」決めつけをやったのか。

 右派のフジテレビにひきずられたか。あるいはお得意のバランス感覚というヤツで、これまでのリベラルな姿勢を引き戻そうとしたのか。
 
 いずれにしても、池上さんのことは唯一、拡散力をもったリベラルだと思って期待していたので、ホントがっかりである。あ、それから、そんな池上さんに「反日」だと炎上攻撃を仕掛けているネトウヨの読解力のなさにもびっくりである。
(エンジョウトオル)

最終更新:2015.06.13 12:56

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