もっとすごいスキャンダルもあった。2000年、一般人のOLが中居くんの子供を妊娠し、中絶したと告白したのだ。「噂の真相」00年12月号に掲載されたこの女性の告白によると、彼女は当初、子供を産む気でいたそうだが、「大丈夫だよ。まだただの細胞だし、手術だって簡単でたいしたことない、俺の友達も何人も堕ろしてるけど、その日のうちに仕事だってできちゃうくらいだし」という中居の冷たい台詞と、飯島三智マネージャーの恫喝で泣く泣く出産を諦めたという。
大手マスコミはジャニーズタブーでほとんど後追い報道しなかったが、「噂の真相」は中居のサインの入った「人工妊娠中絶同意書」や、OLと中居の電話を録音したテープも公開しており、告白は非常に信憑性の高いものだった。
そんな過去まで持つ中居正広がなぜ、40代となった今、中2男子のような「こじらせ」発言を連発しているのか? 年をとって性欲が一気に減退したのか、何か女性不信に陥るようなことがあったのか。
そうではないだろう。中居くんのこうした言動の背景には、彼なりの計算、ブランディングがあるはずだ。
それはおそらく、SMAPの加齢問題と関係している。SMAPのメンバーは今、次々と四十路を迎えつつあり、明らかに体力や容貌の衰えを隠せなくなっている。人気もじわじわと下がり続け、嵐を筆頭に後輩たちがすぐ後ろまで迫ってきている。いったいSMAPはこれからどうやって生き残っていくつもりなのか。ファンのみならず、お茶の間も彼らの行く末を心配しながら見つめている。
だとしたら、中居正広はまさにその「生き残り」のために、自らを「こじらせ中年」に仕立て上げているのではないだろうか。
これまで、芸能界で年齢を重ねたアイドルが生き残るためには、アイドルを捨て本格的な俳優に転身するか、結婚して家庭的なイメージを前面に出してバラエティタレントを細々と続けるか、しか選択肢はなかった。その転身ができなかったアイドルは加齢とともに落ちぶれていくしかなかったのである。