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ワイドショーのドローン少年叩きは異常だ! テレビ局も同じことをしてるくせに…

 たとえば、『とくダネ!』では、元検事の若狭勝が「逮捕は、逃走や証拠隠滅の可能性もあって、これまで注意を何度も受けていながら反省の態度が見られなかったためでしょう。ドローン規制の法律の必要性をPRし、模倣犯を出さないようにという狙いもある」と、法律のPRで逮捕するのは当然、というような無茶苦茶な論理を主張。

『スッキリ!!』では、菊池幸夫弁護士が「実際に現場にドローンを持っていって、さあ飛ばすぞというところまでは行っていない。ふつうは、もっと現場に迫った段階での逮捕。何回も繰り返していることが、伏線となっている。事前に予防しようという意識、何か起きたら困るという意識が警察のほうで非常に強かったんだろう」と、逮捕の経緯が異例だとしながら、逆に警察側の意図を忖度する始末だった。

 唯一の批判は、TBSのニュース番組で、元検察幹部の「逮捕はやりすぎ、せいぜい予防拘束ではないか」というコメントを紹介したくらいだろう。

 まさに、お上が動いたとたん、右へ倣えしてしまう、いまのマスコミのだらしなさが露骨に出たかたちだが、しかし、今回はそれだけではすまなかった。

 ワイドショーは、こんな誰の目にも明らかな不当逮捕の事件で、ただドローンを飛ばしていただけの少年に対して、プライバシ―暴きをはじめたのだ。

『スッキリ!!』では、「学校にラジコンやゲームを持ってきていた」「先生に怒られても口答えするなど反抗的だった」「友だちがあまりいなかった」といった小学校の同級生のコメントを紹介、『とくダネ!』では少年が小学校の卒業文集に「生まれ変わったら死神」と書いていたことを、「この言葉の意味するものは……」などと大げさに取り上げた。

 ほかのメディアでも、逮捕された少年の両親が離婚し、母親と父や違いの姉、妹がいることや、難関私立中学に合格するも中退していること、心療内科で診療した過去があるなどのプライバシーを暴きたてていた。

 さらに、「少年の配信した動画を観る者も共犯だ」と言いながら、少年がネット上にアップしていた動画を流用し、それを繰り返し放映した。たとえば家族にパソコンを取り上げられ、「なにに迷惑かけてんだよ。オレからパソコンをとったら何が残るんだ。これが生きがいなんだよ」と口論する動画。逮捕直前の「祭り、行きます!」と出かけることを宣言する動画。あるいは、少年が警察に食ってかかる動画……。

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