“5人そろってこそ嵐”のはずなのに、温厚そうな櫻井が不人気メンバーはいらないと言わんばかりの発言をしていたとは驚きである。著者によると「嵐が盛り上がらないのはこの2人がイマイチだから」という、相葉と大野に対する不満が櫻井にはあったそうだ。
ちなみに櫻井が慶應ボーイというのは有名だが、実は母校愛も異常に強く、「俺は嵐でいることよりも、慶應生でいることのほうが誇りだ」とまで話していたという。
▽不人気を気にしていたリーダー・大野
自信満々な櫻井とは対照的に、リーダーである大野は自分の不人気をかなり気にしていたという。たとえば、ソロラジオ番組の公開生放送を行ったときは、本番直前まで「眉間にしわを寄せ、心細そうな口調で」こんなことを話していたという。
「行きたくない。出たくない」
「人、来なかったらどうしよう。来てても“あいつ、誰?”って声が聞こえちゃうのが怖いし。俺、怖いよ、それはちょっと……」
一見ゆるふわキャラで、人気などに頓着しなさそうな大野が、こんなふうに追い込まれていたとは。これは当時の嵐がギスギスした関係だったことと無関係ではないだろう。
▽嵐がライバル視したのはタッキー&翼とKAT-TUN
……表向きは“全員仲良し”で売る嵐に隠されていた、ぎくしゃくした関係性。だが、話はこれだけで終わらない。本書では嵐のメンバーが抱いていた、同じジャニーズ事務所に所属するほかのグループに対する敵対心も明かしているのだ。
嵐のメンバーがジャニーズJr.時代から気にかけていたのは、タッキーこと滝沢秀明である。嵐のデビュー会見で「あれ?タッキー、いなくない!?タッキーはどこ?」と報道陣から声があがったと本書にもあるが、Jr.時代の滝沢の存在はそれくらい圧倒的で、絶対的なエースだった。そんな滝沢よりも先にデビューしてしまった嵐の5人は、滝沢に対して「優越感と気まずさとが入り交じった微妙な感情を抱くことに」なったという。