また店頭にある美顔器などの器具の売上げにはノルマが課せられていて、売上げを達成させるために「実質的には手取り月10万程度で、給与の約半分は会社のために使う」こともあったという。
「ブラック企業では正常でない状態が『常態』となり、労働に駆り立て続けている。それはまるで『虐待』にも似ている。いくら人員が不足していても、目標の数値が無謀なものであっても、妥協はしない。それどころかもっと少ない人員で、もっと高い数値を、常に追い続けなければならないのである」
つまり、ブラック企業は「虐待型」の精神管理を行ない、社員を「使い捨て」にしているのだ。その後、「たかの友梨」はブラック環境を告発したエステ・ユニオンとの間で労働協約が複数にわたり締結され、職場環境は改善しつつあるが、このケースは氷山の一角だ。
2013年、全国300人以上の弁護士を擁して立ち上げられた「ブラック企業被害対策弁護団」に立て続けに寄せられた相談も、エステ業界で働く人からのものだったという。
(小石川シンイチ)
最終更新:2017.12.23 06:57